【要約】これが物価高か?予想通りの東京都消費者物価指数【髙橋洋一チャンネル#1503】

【要約】これが物価高か?予想通りの東京都消費者物価指数【髙橋洋一チャンネル#1503】
『髙橋洋一チャンネル」は、数量政策学者で嘉悦大学教授の髙橋洋一さんが視聴者の質問に答える形で、政治経済世界情勢など現在進行中の問題について理路整然と解説してくれるYouTubeチャンネルです。

  東京都区部消費者物価指数

『高橋洋一チャンネル#1503

東京都区部CPI低下と利上げの影響

東京都区部の消費者物価指数の4月分が発表され、全国の物価動向を先取りする指標として注目された
・総合指数は一定の上昇を示しているものの、よく使われる国際版コア、つまり食料品とエネルギーを除いた指数0.9%にとどまった
・これは物価目標とされる2%を大きく下回る水準であり、かなり弱い数字といえる
・ただし、この結果は意外ではなく、政策金利と国際版コア指数
の関係を見れば、ある程度予測できた
・日銀が無担保コール翌日物金利などを引き上げていくと、国際版コア指数は下がる傾向がある
・実際に、政策金利と国際版コア指数の相関を見ると、マイナス0.84という非常に強い逆相関が出ている
・つまり、金利を上げるほど物価の基調は下がりやすいという関係が、今回の数字にも表れている
・世間では、イラン情勢や石油価格上昇によってインフレになるとの見方もあるが、実際にはその影響よりも利上げによる需要抑制効果の方が大きい
・そのため、今回の物価指数の低下は、冷静に分析すれば予想通りの結果だといえる

金利上昇が物価を押し下げる仕組み

金利が上がると、企業や個人がお金を借りにくくなり、経済活動が弱くなる
・企業にとっては借入コストが上がるため、設備投資を控える動きが出やすくなる
・設備投資が減ると、関連する需要も減少し、経済全体の活動量が落ちる
・経済活動が弱まると、需要が減るため、物価を押し上げる力も弱くなる
・このため、金利上昇は結果としてコア物価の低下につながる
・石油価格や海外情勢による物価上昇要因もゼロではないが、今回のような局面では金融引き締めの影響の方が大きい
・したがって、「外部要因でインフレになる」とだけ見るのは不十分であり、まず政策金利の影響を見なければならない
・高橋氏は、この点を無視して「インフレになる」と言い続ける議論は、経済学的な順番を取り違えていると指摘している

食料品価格と減税の効果

・国際版コア指数は食料品とエネルギーを除いた指数であるため、食料品価格の上昇は直接反映されない
・一方で、食料品は4.0%程度上昇しており、家計には大きな負担となっている
・エネルギー価格についてはマイナス方向に動いているため、現時点では大きな問題として扱わなくてもよいとの見方が示された
・物価全体を適切に支えるには、食料品価格の上昇を踏まえたうえで、減税を行うことが有効だとされる
・例えば、食料品の消費税を引き下げれば、食料品価格は下がり、家計の負担軽減につながる
・さらに、全体的な減税を行えば、可処分所得が増え、消費需要が高まる可能性がある
・需要が増えれば、食料品以外の分野で物価が少し上がり、弱っている国際版コア指数を押し上げる可能性もある
・つまり、現在のように基調的なインフレ率が低い局面では、減税は「インフレを悪化させる政策」ではなく、むしろ需要不足を補う政策になり得る
・高橋氏は、そもそも現在は本格的なインフレ状態ではないため、政府支出や減税は正当化されやすいと述べている

雇用への影響は遅れて出る

・金利上昇の影響は物価には比較的早く表れるが、雇用には少し遅れて表れる
・高橋氏は、政策金利と有効求人倍率の推移も分析しており、金利を上げると半年後あたりから有効求人倍率が下がりやすいと説明している
・金利上昇によって経済活動が弱まり、企業が設備投資を控えると、新たな人員を採用する必要も減っていく
・その結果、求人が減り、有効求人倍率が低下する
・雇用環境が弱くなると、企業は人手確保のために賃金を上げる必要が薄れ、賃金上昇も起こりにくくなる
・つまり、金利上昇はまず経済活動を弱め、次に物価を下げ、その後に雇用や賃金へ影響していく
・重要なのは、経済への影響には順番があるという点であり、この順番を理解しないと、物価・雇用・賃金の関係を誤って捉えてしまう
・高橋氏は、金利上昇が経済活動を弱め、物価を下げ、遅れて雇用を悪化させるという流れは、経済学の基本的なロジックだと強調している


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