【要約】国債をNISA対象に!財務省と金融機関によって虐げれれてきた国債の歴史【髙橋洋一チャンネル#1551】

【要約】国債をNISA対象に!財務省と金融機関によって虐げれれてきた国債の歴史【髙橋洋一チャンネル#1551】
『髙橋洋一チャンネル」は、数量政策学者で嘉悦大学教授の髙橋洋一さんが視聴者の質問に答える形で、政治経済世界情勢など現在進行中の問題について理路整然と解説してくれるYouTubeチャンネルです。

  NISA対象に国債追加

【要約】『高橋洋一チャンネル#1551』

国民民主党が「国債のNISA対象化法案」を提出

国民民主党は、個人の資産運用を後押しするため、国債をNISAの対象に追加する法案を国会に提出した
・国債の利子などを非課税にすることは、個人の資産形成を促進する観点から評価できる
・株式や投資信託だけでなく、比較的安全性の高い国債も選択肢に加えることで、投資家の年齢やリスク許容度に応じた運用が可能になる
・髙橋氏は、国債も金融商品の一種であり、NISAの対象に含めても問題はないとの見方を示した
キーワード::国民民主党,NISA,国債,非課税,資産運用,資産形成

「マル優」制度から現在のNISAに至る非課税制度の歴史

・かつて日本には、一般国民も一定額まで預貯金や国債などの利子を非課税にできるマル優制度があった
・この制度は1960年代に設けられ、一般の利用者は元本300万円まで非課税の恩恵を受けることができた
・しかし、1988年以降は原則として高齢者などに対象が限定され、その後、2006年には障害者など一部の対象者を除いて事実上廃止された
・その後に始まったNISAでは、株式や投資信託などが非課税対象となった一方、国債は十分に組み込まれなかった
・髙橋氏は、過去には国債の利子も非課税だった歴史を踏まえれば、NISAへ国債を追加することは不自然ではないと指摘した
キーワード:マル優制度,利子非課税,300万円,制度廃止,NISA,国債

国債が金融商品として冷遇されてきた背景

・国債は市場金利に連動して発行・売買されるため、金融商品として比較的分かりやすく、安全性も高い
・一般的には、国より銀行の方が破綻リスクは高いため、銀行預金の金利は国債金利より高くなければ預金者を引き付けにくい
・ところが日本では、銀行の預金金利が国債金利より低い状態が続くなど、通常とは異なる市場構造が形成されている
・魅力的な国債が個人に広く販売されると、銀行預金から国債へ資金が流出し、銀行は預金金利の引き上げを迫られる可能性がある
・このため金融機関には、国債が個人向けに広く普及することを歓迎しにくい事情があり、国債販売に消極的になりやすいと説明した
キーワード:国債金利,預金金利,銀行預金,資金流出,金融機関,市場構造

財務省内にある理財局と主計局の温度差

・財務省の理財局は国債の入札や市場運営を担当しているため、国債の商品性や市場での役割を比較的よく理解している
・一方、予算編成を担当する主計局は、財政健全化を重視する立場から国債を「国の借金」として否定的に扱う傾向がある
・財務省内では主計局の影響力が強いため、省外に示される見解も「国債発行は望ましくない」という方向に傾きやすい
・その結果、国債を個人の資産形成に活用するという積極的な政策が進みにくくなってきた
・髙橋氏は、国債が金融機関と財務省双方の事情によって、気の毒なほど冷遇されてきたと評した
キーワード:財務省,理財局,主計局,財政健全化,国の借金,国債政策

物価連動国債の導入と販売の制約

・髙橋氏は、財務省の国債担当部署に在籍していた際、海外の制度を参考に新しい国債商品の導入を進めた
・その中で特に有用だと評価したのが、物価の動きに応じて元金などが変動する物価連動国債だった
・物価連動国債はインフレへの備えとして有効な商品であり、2000年代初めの政府会議でも導入を提案した
・財務省内には反対意見があったものの、最終的には発行が実現した
・しかし、導入後も個人向けに積極的に販売されず、限定的な運用にとどまったため、一般投資家には十分に普及しなかった
キーワード:物価連動国債,インフレ対策,新商品,財務省,個人販売,国債市場

中期国債ファンドが銀行業界の反発を受けた経緯

・1980年代には、比較的高い金利が付く中期国債を組み入れた中期国債ファンドが登場した
・銀行預金より有利な利回りが期待できたため、多くの資金を集める可能性のある金融商品として注目された
・しかし、預金が流出することを懸念した銀行業界から強い反発を受け、商品としての拡大が抑えられた
・この経緯から、証券会社も銀行業界と正面から競合するような商品を積極的に扱いにくくなった
・髙橋氏は、こうした歴史が国債関連商品の普及を阻み、日本の預金市場と国債市場をゆがめる一因になったと指摘した
キーワード:中期国債ファンド,銀行業界,預金流出,証券会社,金融商品,市場のゆがみ

NISA経由ではなく「国債の直接購入」を提案

・国債をNISAの対象に加える案は前進だが、金融機関の口座を経由して購入する仕組みでは、販売側の都合によって十分に取り扱われない可能性がある
・特に物価連動国債のような魅力的な商品は、銀行預金から資金が流出する原因になるため、金融機関が積極的に販売しないことも考えられる
・髙橋氏は、金融機関を経由せず、個人が国から直接国債を購入できる直販制度を整備すべきだと提案した
・さらに、直販で購入した国債に非課税枠を設ければ、手数料や販売会社の意向に左右されず、個人が利用しやすくなる
・特に物価連動国債を直接購入できる「非課税の国債直販制度」が望ましいと強調した
キーワード:国債直販,非課税枠,金融機関,物価連動国債,NISA,個人投資家

マイナンバーとマイナポータルで実現可能

・髙橋氏は20年以上前にも国債の直販制度を検討したが、当時は個人を正確に識別する共通番号制度がなく、非課税枠の管理が難しかった
・現在はマイナンバー制度が整備されており、個人ごとの購入額や非課税枠を容易に管理できる
マイナポータルを活用すれば、国債の購入、保有状況の確認、非課税枠の管理まで一体的に行える可能性がある
・米国にも個人が政府から国債を直接購入する仕組みがあるため、日本でも同様の制度を導入することは技術的に難しくない
・髙橋氏は、政府に本気があれば短期間で実現できる政策だと述べた
キーワード:マイナンバー,マイナポータル,国債直販,非課税管理,デジタル化,米国制度

改革の本気度を測る「試金石」

・髙橋氏は、国債直販と非課税枠の組み合わせを、政府や国民民主党が本気でNISA改革に取り組むかどうかを測る試金石と位置付けた
・既存のNISAに国債を加えるだけでなく、金融機関を介さず個人が直接購入できる仕組みまで踏み込めるかが重要になる
・制度の実現は技術的に難しくないため、この提案を取り上げない場合は、改革が表面的な「なんちゃって改革」に終わる可能性がある
・国債を資産形成に活用する明確な意思があるなら、直販制度と非課税措置を一体的に検討すべきだと主張した
キーワード:NISA改革,試金石,国債直販,非課税措置,資産形成,制度改革

野党提出法案の成立を阻む国会事情

・国民民主党が法案を提出しても、野党提出の議員立法であり、政府提出法案ではないため、国会審議の優先順位は低くなりやすい
・世論や他党の支持によって議論が盛り上がらなければ、審議入りや成立は容易ではない
・特に国会会期の終盤では、重要法案の処理や会期延長をめぐる与野党間の駆け引きが激しくなり、国債のNISA対象化法案は後回しにされる可能性が高い
・国民民主党自身が会期延長に反対する場合、提出した法案を審議する時間も確保しにくくなるという矛盾を抱える
・髙橋氏は、法案の内容自体は評価しながらも、現在の国会情勢では成立の見通しは厳しいとみている
キーワード:議員立法,野党提出法案,国会審議,会期延長,国民民主党,法案成立

各党の政治的駆け引きと法案提出の狙い

・国会では、与党と日本維新の会が重視する法案の成立や会期延長をめぐり、各党の政治的な思惑が交錯している
・国民民主党には、高市政権と日本維新の会が接近することへの警戒感があり、会期延長に反対する政治的な理由もあると分析した
・一方、与党側には別の政党の協力を得て法案を成立させようとする動きもあり、会期末まで予断を許さない状況となっている
・今回の国債NISA法案についても、純粋な政策提案だけでなく、会期延長や他の重要法案をめぐる交渉材料として提出された可能性がある
・国民民主党が会期延長に応じる条件として、自党の法案も審議・成立させるよう求める展開も考えられる
キーワード:国民民主党,日本維新の会,高市政権,会期延長,国会対策,政治的駆け引き

個人保有の拡大が国債市場の安定につながる

・現在の国債は金融機関同士の取引が中心であるため、市場金利や相場の変動に応じて大量の売買が行われ、価格が動きやすい
・国債を個人が直接購入して長期保有する仕組みを整えれば、短期的な市場変動による売買が減り、安定保有が増える
・個人による直接保有の拡大は、国債価格や国債市場の安定化にもつながる可能性がある
・国債の直販制度は、個人の資産形成、インフレ対策、国債市場の安定という複数の効果が期待できる
・それにもかかわらず財務省が本格的に取り組んでいないことについて、髙橋氏は大きな政策上の誤りだと批判した
キーワード:個人保有,安定保有,国債市場,市場安定化,長期保有,国債直販

「国債は悪」という固定観念が政策を妨げる

・日本では長年、国債を「持つべきではないもの」「国の借金を増やす悪いもの」とみなす考え方が根強く残っている
・そのため、国債を有用な金融商品として個人の資産形成や市場安定に活用する政策が進んでこなかった
・国債のNISA対象化に加え、物価連動国債の普及、個人向け直販、非課税制度を総合的に進める必要がある
・髙橋氏は、国債への否定的な先入観を改めなければ、本格的な国債管理政策や健全な金融市場の形成は難しいと結論付けた
キーワード:国債悪玉論,固定観念,資産形成,国債管理政策,金融市場,財務省