【要約】絶妙に良い手!?アメリカがホルムズ海峡逆封鎖【髙橋洋一チャンネル#1491】

【要約】絶妙に良い手!?アメリカがホルムズ海峡逆封鎖【髙橋洋一チャンネル#1491】
『髙橋洋一チャンネル」は、数量政策学者で嘉悦大学教授の髙橋洋一さんが視聴者の質問に答える形で、政治経済世界情勢など現在進行中の問題について理路整然と解説してくれるYouTubeチャンネルです。

  絶妙に良い手!?アメリカがホルムズ海峡逆封鎖

『高橋洋一チャンネル#1491』の要約

米イラン対立の本質は「主導権争い」

・今回のイランアメリカの対立は、単なる軍事衝突というより、最終的にどちらが主導権を握るかというマウント争いの性格が強い
・イランがホルムズ海峡の封鎖を打ち出したのに対し、アメリカは逆に「封鎖する能力はイランにはない」と示す形で、海上支配力を誇示した
・アメリカは事前に「打つぞ」と示唆しながら実行することで、相手に圧力をかけつつ、自らの軍事力を見せつける演出を行った
・これは相手を全面的に壊滅させるというより、圧倒的な力を示して主導権を握るための行動として受け止められる
・全体として、今回の応酬は互いの威信をかけた駆け引きであり、軍事行動そのもの以上に「誰が上に立つか」が重要な局面になっている

海峡封鎖と国際法の違い

・この種の問題では、「イランの海峡封鎖も、アメリカの逆封鎖も、どちらも国際法違反だ」と一括りに語られがちだが、両者は同じではない
・イラン側は「どこの国の船も通さない」という全面的な封鎖を志向しており、国際航行そのものを妨げる性格が強い
・一方のアメリカは、イラン発またはイラン向けの船舶を対象とする形で動いており、無差別封鎖とは異なる
・そのため、アメリカ側の対応は一定の国際法上の枠組みに沿ったものとみる余地があり、少なくとも「何でもあり」の対応ではない
・アメリカは警告を発し、必要に応じて船舶を拿捕するなど、法的形式を踏まえながら軍事力を行使しており、そこに大きな違いがある
・つまり、イランの全面封鎖とアメリカの選別的な逆封鎖では、法的にも外交的にも意味合いがかなり異なる

イランの報復余地と国内事情

イランは「報復する」と強く打ち出しているものの、実際には行動の幅がかなり限られている
・たとえば、湾岸諸国に無差別にミサイルを撃ち込むような対応をすれば、国際的な反発を一気に招き、自らをさらに不利にしてしまう
・そのため、今後の反撃は本格的な全面衝突よりも、威嚇や演出的な要素を含んだ「見せる報復」になっていく可能性が高い
・また、イラン国内でも革命防衛隊と政府側が必ずしも一体ではなく、強硬姿勢を取る勢力と現実的に収めたい勢力との間に温度差があるとみられる
・特に革命防衛隊のような強硬派が前面に出ると事態は複雑になるが、全体としてはどこかで交渉に向かわざるを得ない構造も見えている
・したがって、表向きは強い報復姿勢を見せながらも、内実としてはどこで着地するかを探る局面に入りつつあると考えられる

ホルムズ海峡逆封鎖がイラン経済に与える打撃

・今回のホルムズ海峡逆封鎖が重いのは、イラン経済に直接打撃を与える点にある
・イラン経済は原油輸出への依存度が高く、ホルムズ海峡を通れなければ、輸出そのものが著しく制限される
・つまり、イランが自ら海峡封鎖を口にしたことで、逆にアメリカに海上支配の口実を与え、自分の首を絞める結果になっている
・もしイランに十分な海軍力があれば海峡を支配できたかもしれないが、実際にはアメリカの制海力が圧倒的であり、主導権は完全にアメリカ側にある
・しかもアメリカは、国際法の枠組みを意識しながらこの対応を進めているため、軍事面でも外交面でも有利な立場を確保している
・その結果、追い詰められているのはアメリカではなく、むしろイランの方であり、経済的な苦境は今後さらに強まる可能性がある
トランプとしては、圧倒的優位を示したところで「勝った形」で早く収束させたい思惑があり、その意味でも長期戦にはなりにくい構図が見える

中国・サウジへの波及と今後の見通し

・この問題はイランアメリカだけで完結せず、中国サウジアラビアにも大きな影響を与える
中国ベネズエライランから相当量の原油を調達しており、その両方が圧迫されるとエネルギー供給に深刻な影響が及ぶ
・とくにベネズエラとイランで中国の原油調達の2割前後を占めるとされ、その供給が細れば中国経済にとって無視できない打撃になる
・景気が減速していたとしても、必要な原油の2割近くを失うのは別問題であり、「需要減で吸収できる」レベルではない
・そのため中国としては、ホルムズ海峡の正常化を急ぎたくなり、イランに対して早期収束を求める方向に動きやすい
サウジアラビアも同様に海峡の安定を望んでおり、周辺国の圧力は最終的にイランへ向かっていく可能性が高い
・報道では「トランプの思惑が外れている」と語られることもあるが、実際には被害の大半を受けているのはイラン側であり、アメリカは比較的有利な位置にある
・先物市場なども、アメリカ優位のまま、アメリカがやめたい時にやめる展開をある程度織り込み始めていると考えられる
・局地的な衝突や小規模なこじれは残るとしても、大きな方向性としては、アメリカが主導権を握ったまま収束へ向かう可能性が高い


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