【要約】「核抑止力」を正面から議論しなければもう間に合わない【門田隆将チャンネル#0279】

【要約】「核抑止力」を正面から議論しなければもう間に合わない【門田隆将チャンネル#0279】
『門田隆将チャンネル」は、作家・ジャーナリストの門田隆将氏が日本の政治経済世界情勢などの側面や裏側をジャーナリストの視点で切り込むYouTubeチャンネルです。

『門田隆将チャンネル#0279』を要約

「地獄への道は善意で敷き詰められている」

・門田氏は「地獄への道は善意で敷き詰められている」という言葉を取り上げ、善意や理想から始まった行動でも、現実を見誤れば深刻な結果を招くことがあると説明
・この言葉は、12世紀フランスの神学者・聖ベルナルドに由来するとされ、現代では「地獄への道は善意で舗装されている」とも表現される
・門田氏は、核兵器の廃絶を願う平和運動の理念そのものは尊重しつつ、それが現実的な安全保障政策や核抑止力の議論を妨げているのではないかと問題提起
・核廃絶という理想だけを訴え、核兵器を保有する周辺国への具体的な対抗策を持たなければ、かえって日本国民を危険にさらす可能性があると主張
・善意に基づく反核運動が意図せず安全保障上の脆弱性を生み出すという点で、この格言が現在の日本に当てはまるとの見方を示した
キーワード:善意,平和運動,核廃絶,核抑止力,安全保障

広島平和宣言が核保有国を名指ししない問題

・広島市の平和記念式典で、松井一實・広島市長が世界の為政者に対し、「いつまで人々を失望させ続けるのか」と呼びかけた平和宣言を取り上げた
・宣言では、核兵器を威嚇に利用する軍事侵攻や、他国へ責任を転嫁して自国の行動を正当化する為政者の姿勢を批判
・産経新聞は、核武装や核兵器開発で世界を揺さぶっているのは中国、ロシア、北朝鮮、イランであるとして、なぜ具体的な国名を挙げなかったのかと疑問を呈した
・中国による原子力潜水艦や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の配備は、米国や欧州を射程に収める核攻撃能力の強化に当たると指摘
・日本は中国、ロシア、北朝鮮という核保有国と海を隔てて向き合っており、被爆者団体や平和運動は、こうした国々の核軍拡も明確に批判すべきだとの論説を紹介
・門田氏は、広島・長崎の被害を伝え続けることは重要だが、日本の独立と国民の安全を守るため、核をめぐるあらゆる選択肢を議論すべきだと主張した
キーワード:広島平和宣言,松井一實,中国,ロシア,北朝鮮,SLBM

反核運動と核抑止論

・門田氏は、広島市長をはじめとする平和運動関係者が、核廃絶を求める一方で、日本における核共有の議論を抑えていると批判
・核兵器を保有する周辺国が核廃絶に応じる見込みがないなか、日本だけが対抗手段を放棄すれば、自国の安全を相手国の判断に委ねることになると主張
・犠牲者の願いは、無抵抗のまま国家の命運を他国へ委ねることではなく、二度と同様の被害を出さないための防衛力を備えることではないかと問題提起
・広島と長崎に続く「3発目」の核攻撃を防ぐことが最も重要であり、その手段として核抑止力を議論する必要があると述べた
・核兵器のない世界を目指す理念と、核攻撃を防止する現実的な安全保障政策は分けて考えるべきだと強調
・反核運動が核抑止に関する議論そのものを封じれば、日本が現実的な防衛策を検討する機会を失うとの懸念を示した
キーワード:反核運動,核共有,核抑止論,被爆国,安全保障政策

ウクライナの核放棄から見る安全保障

・門田氏は、核兵器を手放した国の例としてウクライナを取り上げ、核抑止力を失った後にロシアの侵略を受けたと説明
・ウクライナはソ連崩壊後、1992年のリスボン議定書などを通じて非核化を進め、旧ソ連の核兵器をロシアへ移管
・1994年のブダペスト覚書では、ウクライナが核兵器を放棄する代わりに、関係国が主権や領土の一体性を尊重することを確認した
・核兵器の撤去完了後、2014年にロシアによるクリミア併合、2022年にはロシアによる全面侵攻が起きた
・門田氏は、この経緯について、国際的な安全の約束だけでは侵略を防げず、自国に抑止力がなければ国家の安全を保障できない事例だと評価
・ウクライナが核抑止力を保持していれば、ロシアのプーチン政権も軍事侵攻に踏み切れなかった可能性があるとの見方を示した
・ただし、核兵器の有無だけで侵攻の原因や抑止の成否を説明できるかについては、外交・軍事面を含む多角的な検討が必要となる
キーワード:ウクライナ,核放棄,リスボン議定書,ブダペスト覚書,ロシア侵攻

ドイツとイタリアのNATO核共有

・日本と同じ第二次世界大戦の敗戦国であるドイツとイタリアが、NATOの核共有に参加している事例を紹介
・ドイツは1960年代からNATOの核共有へ参加し、米国の核爆弾B61が国内基地に配備されていると説明
・B61は航空機への搭載が可能な核爆弾で、ドイツは米国製のF35戦闘機を導入し、核任務を継続する方針だと紹介
・イタリアも同様にB61とF35を組み合わせ、米国の核抑止力を自国の安全保障に活用していると説明
・両国は核保有国になったわけではなく、米国の核兵器を共同運用する仕組みによって、旧ソ連および現在のロシアの核脅威に対抗してきたと述べた
・門田氏は、敗戦国であることや核兵器を自国で保有しないことは、核共有を否定する理由にはならないと主張
・日本もドイツやイタリアの制度を参考にし、米国の核抑止力をより確実に利用できる体制を検討すべきだと訴えた
キーワード:NATO,核共有,ドイツ,イタリア,B61,F35

被爆国・日本に必要とされる核共有の議論

・門田氏は、日本は唯一の戦争被爆国だからこそ、3度目の核攻撃を防ぐための核抑止力を持つ必要があると主張
・日本が独自の核保有国になることと、米国の核兵器を共同運用する核共有は異なる仕組みだと説明
・独自核武装には**核拡散防止条約(NPT)**からの脱退など大きな問題が伴うため、直ちに核保有を目指す必要はないとの立場を示した
・一方、ドイツやイタリアと同様の核共有であれば、NPT体制にとどまりながら、米国の核抑止力を日本防衛へ活用できると主張
・中国、ロシア、北朝鮮という核保有国に囲まれた日本にとって、核共有は最低限検討すべき安全保障上の選択肢だと述べた
・核廃絶の理想を掲げるだけでなく、国民の生命と国家の存続を守る具体的な制度を議論することが、政治や行政の責任だと強調
・核共有に関する議論をタブー視せず、その有効性、法的課題、運用上の責任、周辺国への影響などを公開の場で検討すべきだと訴えた
キーワード:被爆国,核抑止力,核共有,NPT,米国,国民保護

中国の核戦力と対日威嚇への警戒

・門田氏は、中国のSNS上で日本への核攻撃を主張する投稿が見られるとして、中国国内の対日感情と核威嚇に警戒感を示した
・中国の大陸間弾道ミサイル**東風41(DF41)**などを念頭に、日本の都市を攻撃対象として語る言説が存在すると紹介
・こうした発言が一般市民の投稿であっても、核兵器を保有する国の世論として軽視できないと主張
・中国だけでなく、北朝鮮やロシアも核兵器と弾道ミサイルを保有しており、日本は深刻な核脅威に直面していると指摘
・核攻撃能力を持つ国々に対し、日本が有効な抑止手段を持たないままで、国民の生命や国家の存続を守れるのかと疑問を呈した
・核抑止に関する議論を避けることは、周辺国による核威嚇への対応を放棄することにつながるとの見方を示した
・SNS上の言説と中国政府の正式な政策は区別する必要があるものの、最悪の事態を想定した防衛議論は欠かせないと述べた
キーワード:中国,東風41,核戦力,対日威嚇,弾道ミサイル

広島・長崎市長に求める現実的な安全保障論

・門田氏は、広島市長と長崎市長に対し、平和宣言で核廃絶を訴えるだけでなく、日本を取り巻く核の脅威を具体的に直視するよう要求
・中国、ロシア、北朝鮮が核兵器を廃棄しない現実を踏まえ、国民や市民を守るために何をすべきか明確に示す必要があると主張
・特定の国を名指しせず、核抑止力の議論も認めない姿勢は、市民や国民の生命を守る責任を十分に果たしていないと批判
・独自核武装ではなく、少なくともドイツやイタリアと同様の核共有を検討することが現実的な選択肢だと提案
・平和を願う善意が結果的に日本の防衛力を弱め、国民の安全を他国の意思へ委ねることになってはならないと強調
・「地獄への道は善意で敷き詰められている」という言葉を改めて示し、理念だけでなく、実際に核攻撃を防ぐための政策が必要だと訴えた
・核共有を採用すべきか否かという結論以前に、議論そのものを封じる姿勢から脱却するよう呼びかけた
キーワード:広島市長,長崎市長,平和宣言,核廃絶,核共有,安全保障論