【要約】矢野元事務次官オオカミ発言を完全論破【髙橋洋一チャンネル#1584】

【要約】矢野元事務次官オオカミ発言を完全論破【髙橋洋一チャンネル#1584】
『髙橋洋一チャンネル」は、数量政策学者で嘉悦大学教授の髙橋洋一さんが視聴者の質問に答える形で、政治経済世界情勢など現在進行中の問題について理路整然と解説してくれるYouTubeチャンネルです。

  オオカミ矢野

【要約】『高橋洋一チャンネル#1584』

矢野元財務事務次官の「オオカミ」発言

・矢野康治元財務事務次官が、財政問題について「オオカミはすぐそこに来ている」と表現し、金利急騰への懸念を示した
・髙橋氏は、矢野氏が以前にも財政状況を「ワニ」や「タイタニック」に例えて危機を訴えていたと振り返った
・しかし、金利上昇の影響を検討する際は、国債費の増加だけでなく、政府や日銀が保有する金融資産から生じる金利収入も差し引く必要があると説明
・そのため、支払利息だけを取り上げて財政危機を強調する議論は、全体像を示しておらずミスリーディングだと批判した
キーワード:オオカミはすぐそこに来ている,金利急騰,金利収入,ミスリーディング

安倍元首相が指摘した二つの誤り

・髙橋氏は、安倍元首相が2021年12月号の月刊誌のインタビューで、矢野氏の財政危機論には二つの誤りがあると指摘していたと紹介した
・第一は発言の手法で、政府・自民党に意見があるなら、雑誌を通じて間接的に批判せず、岸田総理や関係閣僚へ直接伝えるべきだったとの趣旨だった
・特に総選挙直前の時期に危機論を公表したため、自民党候補の中には選挙活動を妨害されたように受け止める人もいたという
・第二は主張の内容であり、一般会計の税収と歳出だけを見て財政状況を論じること自体が不十分だと批判していた
・髙橋氏は、この二つの誤りのうち、とりわけ財政分析の対象範囲に関する指摘が本質的だとした
キーワード:安倍元首相,総選挙直前,二つの誤り,一般会計

一般会計だけでは見えない政府財政

・国の予算は一般会計だけでなく、特別会計や政府関係機関の予算なども含め、全体を合算して見る必要があると説明した
・髙橋氏は、さらに日本銀行を加えて政府部門を一体として捉える「統合政府」の考え方が重要だと主張
・日本銀行は金融政策の運営では政府から独立しているが、会計上は政府と連結し、政府・日銀の連結バランスシートで判断すべきだとした
・政府の資産と国債などの負債に加え、日銀が発行する銀行券も含めて見れば、日本全体が直ちに債務超過に陥っているわけではないとの見方を示した
・安倍元首相も、財政状況を理解するには一般会計だけでなく、政府全体と日銀を合わせて考える必要があると述べていたという
キーワード:一般会計,日本銀行,統合政府,連結バランスシート

金利上昇時には収入面も増加

・髙橋氏によると、一般会計だけを見ると、金利上昇によって国債の利払い費が増え、財政負担が拡大したように見える
・一方、政府関係機関や特殊法人などが持つ金融資産からは、金利上昇に伴って利子収入が増加する
・大量の国債を保有する日銀にも国債利息が入り、その収益は最終的に国庫納付金などを通じて政府収入につながると説明
・したがって、財政への影響は利払い費の増加だけで判断せず、金融資産から得られる収入を差し引いた純額で評価すべきだと主張した
・髙橋氏は、この収入面を無視して金利上昇の危険だけを訴える議論は、基本的な会計上の考え方を欠いていると批判した
キーワード:利子収入,国債利息,利払い費,政府収入

日本国債の信用と財政破綻論

・矢野氏が財政状況を「タイタニック」に例えたことに対し、安倍元首相は、本当に日本が沈没に向かっているなら、誰も日本国債を買わないはずだと反論していたという
・当時、金利がほぼゼロでも海外投資家が日本国債を購入していたのは、日本が市場から信用されているためだとの見方を示した
・また、財務省自身も、一般に自国通貨建て国債では債務不履行を考えにくいとの説明をしていると紹介
・髙橋氏は、こうした市場の評価や通貨発行国としての条件を無視し、財政破綻が間近に迫っているかのように語るのは適切ではないと主張した
・過去に海外の格付け会社が日本国債を格下げした際、当時の財務官が反論した事例も挙げ、現在の危機論との整合性に疑問を呈した
キーワード:日本国債,自国通貨建て国債,海外投資家,財政破綻論

日本経済新聞の報道姿勢への批判

・髙橋氏は、矢野氏の「オオカミ」発言を取り上げた日本経済新聞について、安倍元首相による過去の反論を十分に踏まえていないと批判した
・月刊誌に掲載された安倍元首相の説明と矢野氏の主張を比較すれば、どちらの議論が妥当か判断できると述べた
・日本経済新聞には、利上げの必要性や財政悪化を強調したい意図があるのではないかと推測
・しかし、利上げは財政だけでなく実体経済にも悪影響を及ぼす可能性があり、危機をあおりながら状況を悪化させるマッチポンプになりかねないと指摘した
・髙橋氏は、政府発信の経済政策を適切に解説できず、従来型の財政危機論に依存しているのではないかとの見方を示した
キーワード:日本経済新聞,利上げ,マッチポンプ,財政危機論