【要約】なぜホワイトハウスは「中国と同盟して戦った」と記したのか【門田隆将チャンネル#0326】

【要約】なぜホワイトハウスは「中国と同盟して戦った」と記したのか【門田隆将チャンネル#0326】
『門田隆将チャンネル」は、作家・ジャーナリストの門田隆将氏が日本の政治経済や世界情勢などの側面や裏側をジャーナリストの視点で切り込むYouTubeチャンネルです。

『門田隆将チャンネル#0326』を要約

米中首脳会談の評価と歓迎行事での対中牽制

・門田氏は、今回の米中首脳会談で台湾をめぐる懸念された譲歩がなかったとして、ひとまず安堵する一方、米中のどちらが利益を得たかは慎重に見極める必要があると述べた。
・番組では、アンドルーズ空軍基地の歓迎式典で、国歌演奏中に大型爆撃機B1Bランサー2機が上空を飛行し、翌日のホワイトハウスの式典でもステルス爆撃機B2スピリットが飛行したと紹介された。
・門田氏は、これらの飛行を、中国に米国の軍事力を見せつける露骨な示威行動と受け止めた。
・歓迎行事の楽曲についても、中国で禁止されている内容につながる曲の一部などが演奏されたと紹介し、自由や人権をめぐる中国の姿勢への皮肉が込められていたと分析した。
・ただし、こうした対中牽制の演出とは別に、ホワイトハウスの文書に盛り込まれた歴史認識が、中国にどのような利益を与えるかが重要だと指摘した。
キーワード:米中首脳会談,B1Bランサー,B2スピリット,対中牽制

「米中は第二次世界大戦の同盟国」という公式文書への疑問

・番組では共同通信の報道とホワイトハウス公式文書を取り上げ、米国と中国が第二次世界大戦で同盟国として肩を並べ、勝利のために戦ったという趣旨が記されていると紹介した。
・門田氏は、当時米国が同盟関係を結んでいた相手は、蒋介石の率いる中華民国であり、日本軍が主に戦ったのも国民党の正規軍や各地の軍閥だったと説明した。
・一方、中華人民共和国の成立は戦争終結後の1949年10月1日であり、現在の国家が当時の米国の同盟国だったかのように扱うことは不適切だと批判した。
・中国共産党の軍について、門田氏は「逃げていただけ」と強く批判し、国民党側の戦争への関与と同一視すべきではないという見解を示した。
・今回の表現は、両国の違いを区別せず、チャイナという歴史的な主体の連続性を持ち出した外交上のリップサービスだと分析した。
・また、台湾側が歴史の歪曲だとして強く反発していると紹介し、実際に戦った側の立場からすれば当然の反応だと述べた。
キーワード:ホワイトハウス公式文書,第二次世界大戦,中華民国,中華人民共和国,チャイナ

中国メディアの報道から見る外交上の成果

・門田氏は、中国側が会談をどう評価しているかを知るには、国営通信社の新華社や中国共産党機関紙の人民日報の報道が手がかりになると説明した。
・番組で紹介された9月25日付の新華社記事では、習近平氏とトランプ氏が、日本の侵略に対して米中が共同で抵抗した歴史を称えたという趣旨が強調されていた。
・さらに、新華社英語版には、米中は本質的には敵ではないという論評が掲載されたと紹介し、門田氏は、中国側が訪米の成果として米中関係の改善を打ち出していると分析した。
・人民日報の国際版も、トランプ氏が、米中両国は肩を並べて戦い、第二次世界大戦の勝利を共にしたと語ったと報じているという。
・門田氏は、日本と戦った仲間という認識を米国に認めさせたことは、中国にとって大きな外交的成果であり、台湾問題で譲歩を得られなかったとしても軽視できないと評価した。
・とりわけ米国の公式文書に残ったことで、中国は30年後、50年後にも「トランプ大統領が認めた」と繰り返し主張できるようになったと警戒した。
キーワード:新華社,人民日報,米中は本質的には敵ではない,外交的成果

共同声明・共同記者会見がなかったことの意味

・番組では、歓迎行事が大々的に行われた一方、今回の会談では共同声明が出されず、共同記者会見も行われなかったと説明された。
・門田氏は、その理由について、記者から詳しく質問されると双方が説明に困り、発言内容によっては互いの立場の違いが表面化するためだったのではないかと推測した。
・会談のやり取りをそれぞれが公の場で説明すれば、認識の食い違いから共同発表が成り立たなくなる可能性があったという見方を示した。
・その一方、中国側は台湾問題で求めた譲歩を得られなくても、米中の歴史的な同盟関係という、長期にわたり利用できる公式記録を獲得したと分析した。
・このため門田氏は、中国にとって全面的に満足できる会談ではなくても、一定の成果は確保したと結論づけた。
キーワード:共同声明,共同記者会見,台湾問題,公式記録

米中の友好を強調する説明から抜け落ちた朝鮮戦争

・門田氏は、米中が共に戦った歴史を強調する説明では、両国が戦った朝鮮戦争が抜け落ちていると批判した。
・番組では、1949年に成立した中国が翌年の戦争に関与し、形式上は中国義勇軍として、実質的には中国軍が米軍と激しく戦ったと説明された。
・戦況については、北朝鮮軍が釜山付近まで進撃した後、仁川上陸作戦によって押し戻され、その後、中国側の大規模な参戦があったという経緯が紹介された。
・米軍の死者数について、門田氏は複数の数字に触れつつ約3万6000人との見積もりを示し、多数の遺族にとって中国軍は戦った相手であると強調した。
・また、1953年7月に結ばれたのは休戦協定であり、戦争が終結したのではなく、休戦が長く続いている状態だという認識を示した。
・その歴史を省いて友好だけを語れば、遺族団体や退役軍人団体などの反発を招き、トランプ氏にとって中間選挙への悪影響にもなり得ると指摘した。
キーワード:朝鮮戦争,中国義勇軍,仁川上陸作戦,約3万6000人,休戦協定

歴史的友情を台湾への武器供与削減につなげる戦略

・門田氏は、中国側の主張を、過去に日本と共に戦った仲間であること、その歴史的友情を現在に引き継ぐこと、したがって台湾問題でも中国の立場を尊重すべきだという三段構えの戦略として整理した。
・習近平氏が晩餐会のスピーチで、友情を世代から世代へ引き継ぐことを繰り返し強調したのも、台湾への武器供与を抑えるための布石だと分析した。
・番組では、対象となる武器供与の規模を140億ドル、円換算で2兆円近くと説明し、議会が承認している一方、トランプ政権が現在は止めていると紹介した。
・門田氏は、台湾が米国から導入した兵器の改良や独自のミサイル開発を進めてきたとして、追加供与が台湾の防衛力をさらに高めるという見方を示した。
・供与の再開時期については、中間選挙とAPECが終わった頃から本格的に動き出すのではないかと予測した。
・中国側は、友好関係にあるはずの米国が、中国に向けられる兵器を台湾に渡すのはおかしいという論法で、供与の削減を迫ろうとしていると解説した。
キーワード:歴史的友情,三段構え,台湾への武器供与,140億ドル,中間選挙,APEC

敵国条項と高市首相の国連演説をめぐる見解

・門田氏は、米中の戦時協力を強調する中国の姿勢は、日本への圧力や国連憲章の敵国条項を持ち出す動きとも結び付いていると主張した。
・番組では、中国が昨年11月以降、日本の「新型軍国主義」を批判し、敵国条項は現在も有効だとして、日本への攻撃を正当化する趣旨の主張を繰り返していると説明された。
・門田氏は、こうした言説を、核ミサイルDF41などによる対日攻撃の口実づくりにつながるものと捉え、強い警戒感を示した。
・その文脈で、高市首相が国連総会演説で、死文化したとの扱いにとどめず、条文から実際に削除するよう求めたことを画期的だと評価した。
・また、トランプ氏が台湾独立への反対などに踏み込まなかった背景には、直前の日米会談での高市首相の働きかけがあったという見方を示した。
キーワード:敵国条項,DF41,高市首相,国連総会演説

台湾海峡の平和維持と日本の安全保障への危機感

・門田氏は、習近平氏が建国100年に当たる2049年までの世界的な覇権獲得を目指していると捉え、今回の歴史認識をめぐる外交も、その過程の一部だと分析した。
・中国の駐日大使が、日本人が火の中に連れ込まれるという趣旨の発言を2度したと紹介し、外交官として極めて威圧的な言動だと批判した。
・さらに、台湾侵攻と日本侵略は一体の危機だという自身の認識を示し、中国は台湾だけでなく日本への攻撃を正当化する材料も整えていると主張した。
・国内の左派や既存メディアについても、中国の利益に沿って行動し、日本の安全保障や防衛装備の充実を妨げていると強く批判したが、これらは門田氏の評価・主張として述べられた。
・門田氏は、高市政権の対応を支持するとともに、国民も危機感を持ち、台湾海峡の平和と両岸関係の安定をどう維持するか考える必要があると訴えた。
・最終的な課題は、台湾をめぐる衝突を防ぎ、第三次世界大戦の勃発を回避することであると強調した。
キーワード:2049年,台湾侵攻,日本侵略,安全保障,台湾海峡,第三次世界大戦