【要約】酒税バトル!財務省の天下りを受け入れないビール業界の闘い【髙橋洋一チャンネル#1599】

【要約】酒税バトル!財務省の天下りを受け入れないビール業界の闘い【髙橋洋一チャンネル#1599】
『髙橋洋一チャンネル」は、数量政策学者で嘉悦大学教授の髙橋洋一さんが視聴者の質問に答える形で、政治経済や世界情勢など現在進行中の問題について理路整然と解説してくれるYouTubeチャンネルです。

 酒税改正

【要約】『高橋洋一チャンネル#1599』

酒税改正とビール業界・財務省の対立

・番組冒頭では、10月からの酒税改正により、ビールや日本酒の税負担が下がる一方、第三のビールなどは上がるという話題を取り上げた。
・髙橋氏は、ビール業界には気骨のある経営者がおり、監督官庁である財務省・国税当局からの天下りをほとんど受け入れないことが、両者の対立の背景にあるとの見方を示した。
・一方、ビール業界も、天下りを受け入れない代わりに政治家への働きかけや資金提供を通じて、自分たちに有利な制度を求めていると説明。これに対して当局が税率の変更で応じる構図だと分析した。
・発泡酒や第三のビールへの増税について、髙橋氏は、販売が伸びる分野を見越して課税し、税収を確保しようとする動きだと指摘した。
・業界が新商品を開発し、それが売れると再び課税対象になるといういたちごっこが続いていると批判。天下りを受け入れる関係であれば、双方が一定のところで折り合う可能性もあると推測した。
・業界が政治家を使って対抗することで、財務省側も一層強く反応するというのが、髙橋氏の見立てである。
キーワード:酒税改正,ビール業界,財務省,天下り,政治家への働きかけ,いたちごっこ

酒税・たばこ税に共通する課税構造と天下りの実態

・髙橋氏は、酒もたばこも蔵出し段階の課税に加え、その税額を含む価格に消費税がかかるため、税に税が重なるタックス・オン・タックスの構造になっていると説明した。
・両業界は財務省の所管であり、規制の強い分野でもあると指摘。酒に同様の課税をする仕組みは世界でも広く見られ、解消しにくいとの認識を示した。
・ビール業界との違いとして、日本たばこには財務省から多数の天下りや出向があったと説明。自身が在籍していた当時は、会長や役員から下の職位まで、まとまった人数で移るような状況だったと振り返った。
・ただし、天下りを受け入れていても、たばこへの増税は続いていると指摘。減税を支持する人が少なく、健康を理由とする増税が進めやすいのだと分析した。
・髙橋氏は、こうした姿を見たビール業界には、「当局の人員を受け入れても税負担を軽くしてもらえないなら、受け入れずに闘う」という判断があるのではないかと推測した。
キーワード:蔵出し段階の課税,消費税,タックス・オン・タックス,日本たばこ,天下り,健康を理由とする増税

日本酒業界への技術支援と酒税を巡る政治的事情

・髙橋氏は、日本酒業界では地域の税務署が関わる一方、大規模なビール会社は国税局が担当するなど、監督のあり方に違いがあると説明した。
・日本酒造りでは酵母菌が重要で、その扱いにも難しさがあると指摘。国の醸造試験機関がさまざまな菌を保有し、酒造業者に分けるなどの技術支援を行っていると述べた。
・こうした便宜や支援を通じて、日本酒の酒造業者は当局の意向に従いやすい関係にあるというのが髙橋氏の説明。ただし、その関係が酒税の軽減につながるわけではないとも指摘した。
・酒税の減税は、飲酒しない人も含めた国民全体から幅広く歓迎される政策にはなりにくく、飲酒者の支持だけでは大きな得票も期待しにくいと分析した。
・そのため、酒税の減税は業界内の利害調整にとどまりやすく、政治的には増税へ進みやすい面があるとの見方を示した。
キーワード:日本酒業界,税務署,国税局,酵母菌,醸造試験機関,酒税の減税

どぶろくの規制と税務署長時代の経験

・髙橋氏は、酒は比較的簡単に造れるため、製造に対する規制が厳しく、どぶろくの無免許製造も厳格に取り締まられていたと説明した。
・自身の税務署長時代には、酒造業者などからの密告を受け、調査が必要になることもあったと回想した。
・また、神社が造るお神酒に製造免許を出した経験を紹介。神社から招かれて訪問するとテレビカメラが入り、免許を出した税務署長が酒を飲むという、珍しい場面になったと振り返った。
・個人的には、販売目的ではなく家庭でたしなむ程度のどぶろく造りなら認めてもよいのではないかと思ったが、酒税行政に詳しい部下から、そうした発言は控えるよう強く注意されたという。
・部下からは最高裁判例などを示して制度の説明を受けたと述べ、髙橋氏自身の自由主義的な感覚と、実際の厳格な酒税行政との隔たりを語った。
キーワード:どぶろく,税務署長時代,密告,お神酒,製造免許,最高裁判例

ビールのカルテル調査と財務省との関係についての見方

・追加収録では、公正取引委員会がビールのカルテルについて調査するというニュースを紹介した。
・髙橋氏は、自身も公正取引委員会に在籍した経験があると述べ、歴代の委員長には財務省出身者が多いと説明した。
・過去のビール業界のカルテル事件でも、当時の委員長はほとんどが財務省出身者だったと振り返り、業界との間には独特の関係があるとの見方を示した。
・カルテル自体は問題だとしつつ、ビール業界では酒税変更後に起こることが多いと指摘した。
・今回の調査についても、背景として財務省とビール業界の対立を意識する必要があると主張した。ただし、調査の動機をその対立に結び付ける説明は、髙橋氏の分析である。
キーワード:公正取引委員会,カルテル,財務省出身者,酒税変更後,財務省とビール業界の対立