【要約】地金が出た黒田日銀前総裁 利上げしたくて統計のズルまではじめた日銀【髙橋洋一チャンネル#1483】

INDEX(目次)
黒田元日銀総裁 利上げ必要と発言
『高橋洋一チャンネル#1483』の要約
黒田東彦氏の利上げ発言と日銀・財務省の思惑
・元日銀総裁の黒田東彦氏が共同通信のインタビューで、現在およそ0.75%の政策金利は段階的に引き上げるべきであり、中立金利は1.5%程度が目安になるとの認識を示した
・黒田氏は、日本経済が安定成長を続け、物価上昇率も2%程度で推移しているとして、大規模な金融緩和は不要になりつつあり、日銀が4月に追加利上げを行っても不自然ではないとの見方を示した
・これに対し髙橋氏は、足元の物価動向はむしろ2%で下がってきていると指摘し、黒田氏の前提認識そのものに疑問を呈した
・さらに、日銀が既存の消費者物価指数とは別に、特殊要因を除いた新たな物価指標を持ち出して、無理にでも2%超に見せようとしているのではないかと批判した
・髙橋氏は、こうしたやり方は都合のよい統計解釈によって利上げ路線を正当化しようとするものであり、この段階で行うべきではないと問題視した
中立金利1.5%論への疑問
・黒田氏が示した中立金利1.5%という数字について、髙橋氏は「そんなに簡単に言えるものではない」と明確に否定した
・中立金利は理論上の概念ではあるものの、実際に真面目に計算すると推計の幅が非常に大きく、明確な一点の数字として示せる性質のものではないと説明した
・髙橋氏によれば、計算方法によって結果はかなりぶれ、実際には0%から2%程度の間で大きく変動しうるため、1.5%と断定的に述べるのは不正確だという
・このため、計算実務を知らない人ほど「1.5%が妥当」と受け取りやすいが、実際には政策判断の拠り所として使うには不安定すぎる数字だと批判した
・髙橋氏自身は中立金利の計算方法を理解し、自ら推計もできる立場として、黒田氏の発言は実証的な裏付けに乏しいとの見方を示した
雇用と物価のデータから見た「利上げの誤り」
・髙橋氏は、金融政策を判断する際には、コアコアCPIの動きや有効求人倍率、失業率などの実体経済データを総合的に見るべきだと説明した
・その上で、最近はコアコアが下がり、有効求人倍率も低下し、雇用環境が悪化しつつあることから、現在の利上げは方向性として誤っていると述べた
・かつて有効求人倍率は1.6~1.7程度まで高かったが、現在は1.2台まで大きく低下しており、労働市場の弱まりが鮮明になっているという
・同時に、失業率もわずかながら上昇しており、これは景気や雇用にとって無視できない悪化シグナルだと位置づけた
・こうしたデータから見れば、今の利上げは雇用を悪化させ、結果として物価も押し下げてしまっており、最適な政策金利からずれているとの認識を示した
・そのため、「4月に利上げしてもおかしくない」という黒田氏の発言は、現実の経済指標と整合しないとんでもない話だと強く批判した
財務省・日銀連合への批判と人事の重要性
・髙橋氏は、こうした利上げ志向の背景には、財務省と日銀が一体となった意向、いわば「連合軍」のような構図があると指摘した
・財務省が利上げを望む理由については、最終的には緊縮財政を進めたい意図があるからだと説明し、日銀もそこに歩調を合わせているとの見方を示した
・また、髙橋氏が以前から主張してきたように、日銀には雇用の安定という目標が法的に明記されておらず、その点が政策判断の偏りにつながっていると語った
・もっとも、法律改正には大きな政治的リソースが必要であり、現実には制度改正よりも日銀総裁の人事によって方向転換を図る方が実際的だと説明した
・そのため、今後の金融政策の修正は法律よりも人事で行われる可能性が高く、上田総裁の任期後の人選が重要になるとの見通しを示した
安倍政権下の黒田人事と現在の変化
・安倍政権が黒田東彦氏を総裁に起用した当時について、髙橋氏は、実は黒田氏には以前から危うさを感じていたと振り返った
・ただし当時は、総裁・副総裁人事において、財務省枠、日銀枠、学者枠といった力学があり、その枠組みを大きく崩すことは容易ではなかったと説明した
・その中で、財務省出身者の候補として誰を選ぶかを考えた結果、黒田氏が最も現実的な選択肢だったという事情があった
・髙橋氏は、黒田氏には危険な面もあると見ていた一方で、当時は安倍晋三氏がしっかり抑え込めるという政治的前提があったため、人事として成り立っていたと分析した
・実際、安倍政権下では黒田氏も大きく逸脱する発言を控えていたが、安倍氏の死去によって抑える存在がいなくなり、現在は本来の考え方が表に出やすくなっているとの見方を示した
・今回の発言は、そうした安倍氏不在後の変化を象徴するものだとして、黒田氏の本音が表面化した事例として捉えていた
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