【要約】やっぱりEV逆風 物理法則では無駄だらけ【髙橋洋一チャンネル#1473】

【要約】やっぱりEV逆風 物理法則では無駄だらけ【髙橋洋一チャンネル#1473】
『髙橋洋一チャンネル」は、数量政策学者で嘉悦大学教授の髙橋洋一さんが視聴者の質問に答える形で、政治経済世界情勢など現在進行中の問題について理路整然と解説してくれるYouTubeチャンネルです。

  ホンダEV戦略見直し

『高橋洋一チャンネル#1473』の要約

EV戦略見直しと自動車メーカーの経営リスク

ホンダがEV戦略の見直しに伴い、2027年3月期以降に最大5000億円規模の損失を計上する可能性があるとされ、EV一本足打法の経営判断に大きなリスクが表面化している
EVへの全面シフトは、将来の需要や技術進歩を楽観視しすぎた面があり、経営戦略としては危うく、結果としてギャンブル性の高い判断になりかねない
・これに対し、トヨタのように内燃機関も残しながら複数の選択肢を維持する戦略は、リスク分散の観点から合理的だと評価されている
・技術や市場の先行きが不透明な分野では、1つに賭けるのではなく、複数の手段を持つポートフォリオ戦略が重要であると論じている

キーワード:EV戦略,ホンダ,5000億円損失,一本足打法,ポートフォリオ戦略

EVの限界を決めるエネルギー密度の問題

・EVの将来性を考える際には、流行や政策ではなく、物理法則エネルギー効率という根本条件から見る必要がある
・電気は発電所で作って送電する過程で送電ロスが発生するため、遠くでまとめて発電して使う仕組みにはどうしても無駄が生じる
・そのため、エネルギーはできるだけ分散的に、使用場所の近くで使う方が効率が高く、自宅で作った電力を自宅で消費する形であれば送電ロスを抑えやすい
・一方、ガソリン車は各車両が燃料を積み、その場で燃焼させて使うため、エネルギー利用の面ではロスが少ないという見方が示されている
・こうした観点から、EVは環境イメージだけで評価するのではなく、エネルギー密度や供給構造を含めて冷静に考えるべきだとしている

キーワード:エネルギー密度,物理法則,送電ロス,分散型エネルギー,ガソリン車

ガソリン・リチウムイオン・水素・核エネルギーの比較

・技術の優劣を考えるうえで重要なのが、同じ重さあたりでどれだけのエネルギーを取り出せるかというエネルギー密度である
・説明では、リチウムイオン電池のエネルギー密度を1とした場合、ガソリンは約48とされ、電池と液体燃料の差が極めて大きいことが強調されている
・さらに水素は約132とされ、ガソリンを上回る高いエネルギー密度を持つ点が、水素技術に期待が集まる理由の1つとして挙げられている
・その上には核エネルギーがあり、圧倒的なエネルギー密度を持つため、原子力潜水艦のように少ない燃料で長期間稼働できる技術の背景になっている
・このように、エネルギー密度が1桁、2桁違えば技術競争の土俵自体が変わるため、EVが内燃機関に対して根本的に不利な面を抱えていると指摘している

キーワード:リチウムイオン電池,ガソリン,水素,核エネルギー,エネルギー密度比較

EV普及の壁と用途の限界

・EVはバッテリーが重いため、軽量性が求められる車種ほど不利になりやすく、軽自動車のような分野でも必ずしも相性が良いとは限らない
・特に長距離走行では、大量のバッテリーを積む必要があり、その分さらに車重が増して効率が悪化するという構造的な問題がある
・そのためEVが有効に機能しやすいのは、都市部で短距離をこまめに走る用途など、限定された条件下にとどまる可能性が高い
・冬場の使い勝手や充電環境の問題もあるが、それ以前にエネルギー密度の低さそのものがEVの根本的な弱点だと整理している
・欧州でEVへの逆風が強まっている背景には、こうした現実的な制約に市場や政策当局が気づき始めたことがあるのではないか、という見方を示している

キーワード:EVの限界,バッテリー重量,長距離走行,都市部短距離,欧州のEV逆風

欧州のEV政策と中国の台頭

・欧州ではもともと日本車への対抗策としてディーゼル車を推進していたが、それがうまくいかず、その流れの中でEVへ大きく舵を切った経緯があると説明している
・しかし、その政策判断は物理法則や技術制約を十分に踏まえたものではなく、無理のある意思決定だったのではないかと批判的に見ている
・その結果、EV市場に大きく舵を切ったところへ、今度は中国メーカーが台頭し、欧州勢にとってさらに厳しい競争環境が生まれた
・つまり欧州のEV偏重は、政策判断の誤りと国際競争環境の変化が重なって、自ら苦しい状況を招いた面があるという整理である

キーワード:欧州EV政策,ディーゼル車,中国メーカー,政策判断,国際競争

発電源の問題とEVの実質的な環境負荷

・ガソリン価格が上がるとEVに期待が集まりやすいが、EVも結局はどこで作られた電気を使うのかを考えなければならない
・その電力が石油火力LNG火力に依存しているなら、エネルギーの入り口が違うだけで、本質的には化石燃料に頼っている点は大きく変わらない
・しかも発電して送電する過程でロスが発生するため、火力発電由来の電力を使うEVが、必ずしも効率面で優れているとは限らない
・その意味で、単純に「EVは環境に良い」と断定するのではなく、発電方法まで含めた全体像で評価する必要があるとしている

キーワード:火力発電,LNG,石油火力,環境負荷,発電源

水素技術の可能性と、それでも必要な多様化

水素はエネルギー密度の面で有望であり、将来性のある技術として一定の期待が持てると評価している
・一方で、水素ステーションなどインフラ整備の負担が大きく、普及には技術面だけでなく社会基盤の整備が必要になる
・すでに水素を活用した車両やタクシーも存在しており、実用化は進んでいるが、だからといって水素だけに全面的に賭けるのも危険だとしている
・重要なのは、EV・水素・内燃機関など複数の技術を併存させながら、現実的に最適な組み合わせを探ることであり、再び一本化に走るべきではないという立場である
・最終的には、現時点ではなお内燃機関の優位性は大きく、水素も将来の選択肢として残しながら現実的な技術ミックスを考えるべきだとまとめている

キーワード:水素技術,水素ステーション,技術ミックス,内燃機関,インフラ整備

EV復活の条件と将来技術への見方

・EVが本格的に優位に立つには、現在とは桁違いの電力供給力が必要であり、その前提として核融合のような新たなエネルギー源の実用化が1つの条件になり得ると述べている
・仮に膨大な電力を安定的かつ安価に生み出せる時代が来れば、EVの評価は大きく変わる可能性がある
・ただし、核融合の実用化が仮に10年程度先に見えてきたとしても、現時点でそこを前提にEV一択へ突き進むのは現実的ではないという見方である
・将来技術への期待は持ちつつも、足元の技術水準とエネルギー事情を踏まえた現実的な判断が必要だと締めくくっている

キーワード::核融合,将来技術,EV復活条件,電力供給,現実的判断