トランプ関税でアメリカのトリプル安 その理由を解説【髙橋洋一チャンネル#1258】

『髙橋洋一チャンネル」は、数量政策学者で嘉悦大学教授の髙橋洋一さんが視聴者の質問に答える形で、政治経済や世界情勢など現在進行中の問題について理路整然と解説してくれるYouTubeチャンネルです。
INDEX(目次)
アメリカの「トリプル安」について
『高橋洋一チャンネル』の内容を要約
アメリカで再び「トリプル安」懸念が浮上
・トランプ氏が全世界に関税を課す可能性を示唆し、「トリプル安」(株安・債券安・ドル安)が懸念されている
・90日間の猶予が切れた後、関税対象が中国だけでなく他国にも拡大する恐れ
・輸入品への関税引き上げは、アメリカ国民にとって“消費税増税”と同じインパクト
・結果として景気悪化→株価下落という構図が想定される
関税増税がもたらすインフレと債券安の連鎖
・関税が上がれば輸入物価上昇→インフレ圧力が強まる可能性
・インフレ抑制のためFRBが金利引き上げ→債券価格下落(債券安)
・金利と債券価格の関係の例を挙げて説明(10%金利なら9000円貸して1万円返してもらう形)
ドル安の裏にあるトランプの思惑
・アメリカの国力低下懸念で「ドル売り」の発想が広がる
・一方でトランプは「ドル安で製造業復活を狙う」という政策目的もある
・株・債券・ドルのすべてが下がる「トリプル安」という説明が広がる背景には、こうした複合的要因がある
所得税減税で関税増収分を相殺する可能性
・トランプ氏は関税収入を使って所得税減税を実施する見込み
・具体的には「最低課税限度額の引き上げ」などで還元されると予想される
・これにより、株価の一時的な下落は持ち直す可能性もある
FRBの独立性とパウエル議長への圧力
・トランプ氏は「金利を上げるな」とFRBに強く圧力をかけている
・パウエル議長は比較的柔軟な人物で、トランプの要望に応じる可能性も
・ただしインフレが進めばFRBは金利を上げざるを得ないジレンマも
金利上昇への市場の「思い込み」
・市場は「関税でインフレになる」と想定し、FRBが利上げすると見て動揺
・実際にはFRBの公式資料では「金利は今後下がる」方針が示されている
・マーケットの過剰反応が「トリプル安」の引き金になっているとも言える
日本の米国債保有とその影響
・日本は米国債を大量保有しているが、金利が少し上がっただけでは大きな影響はない
・日本にとっては金利が下がっていた時期に買っており、含み益が出ている状況
・米国債を売れば金利上昇につながり、アメリカに嫌がられる可能性もある
・しかし現状では日本は米国債を積極的に売却するような動きは見せていない
トランプ政権下での日本の対応は静観がベスト
・日本は米国債の大量売却などでトランプ政権を刺激するべきではない
・為替的にも現在の円安水準は過去と比べてかなり安く、利得が出ている
・召喚期限ごとに自然に資金が戻るため、積極的な売買の必要はない
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