1951年(昭和26年)のこの日、政治家・岩倉具視(いわくら・ともみ、1825~1883年)の肖像画入りの500円札が日本銀行より発行されました。

当時の1000円札と100円札の間を埋めるべく500円札(B号券)が発行され、表面は岩倉具視の肖像画をモデルにしたもので、中央上下には法隆寺が所蔵する玉虫厨子の透金具のレリーフ模様を描き、左右には「500」および「五百」の文字と日本銀行行章のマイクロ文字を敷き詰められています。

裏面は山梨県大月市の雁ヶ腹摺山山頂から撮影した写真を原画とした富士山で左側の額面金額「500」が表示された円形の輪郭の周囲には蓮花模様を描き、更にその外側を中尊寺金色堂の天蓋の「藤原模様」が取り巻く構成となっています。
寸法は縦76mm、横156mm。野菊と「500」の透かしが入っています。この500円札は1971年(昭和46年)1月4日に支払いが停止されました。
1969年(昭和44年)に発行されたC号券は、新たな印刷技術や偽造防止技術を取り込んだ形となっています。

500円硬貨に変わった理由は?
500円札の発行が停止されたのは1994年(平成6年)4月1日で、1982年(昭和57年)4月1日に五百円硬貨が五百円紙幣(岩倉具視の肖像のC五百円券)に替わり登場しました。
少しずつインフレが進み物の値段があがってきたため、今まで登場する機会の少なかった「500円」の使用頻度が高くなったからです。よく使うお金が紙だと劣化が早いので、傷みにくい硬貨に変更しました。
百円硬貨の流通高が硬貨全体の60%を超え、また自動販売機の急速な普及を背景として更に高額面の硬貨が求められたことにより、世界的にみれば異例の高額面硬貨として発行されました。
