プラザ合意とバブル経済【髙橋洋一チャンネル#1260】

『髙橋洋一チャンネル」は、数量政策学者で嘉悦大学教授の髙橋洋一さんが視聴者の質問に答える形で、政治経済や世界情勢など現在進行中の問題について理路整然と解説してくれるYouTubeチャンネルです。
バブル経済のきっかけはプラザ合意?
『高橋洋一チャンネル』の内容を要約
プラザ合意とバブル経済の関係を否定する高橋氏の見解
・「プラザ合意がバブルの原因」という通説は根拠に乏しいと指摘。時期が近いだけで、因果関係はないと断言。
・プラザ合意は1985年9月に締結。バブル景気は1986年後半〜1991年頃で、たまたま時期が近かっただけと説明。
・プラザ合意の本質は「資本取引の自由化」。それまでのダーティフロート(資本規制下での為替管理)からの転換点だった。
・それにより円安が是正され、為替レートは理論値に近づいたが、これは市場の自由化による当然の動き。
・日本の高度経済成長期は、政府主導の円安政策に支えられていたが、プラザ合意によりその時代が終わったとの見方も当時存在。
・バブル景気のインフレ率は実際にはほぼゼロ。消費者物価指数で見ても1986〜1991年のインフレは穏やか。
・バブルの本質は「株と土地の価格高騰」。その原因は「税制の抜け穴(特に営業特金融商品や不動産投資に関する優遇)」による資金流入。
・証券会社が税制の抜け道を利用し、過熱した投資を推進。これが株価と地価を急騰させた。
・バブルを収束させたのは、不動産融資の総量規制と営業特に関する通達。これにより市場が一気に冷え込み、崩壊に至った。
・金融緩和がバブルの要因とする説も否定。1986〜1990年のマネタリーベース(通貨供給量)の伸びは10%程度で、緩和と言える水準ではなかった。
・バブル崩壊後、日銀は過剰な引き締めを実施。株と土地価格の下落だけでインフレではなかったにもかかわらず、金融政策を誤ったと批判。
・Wikipediaに「プラザ合意がバブルのきっかけ」と書かれていることにも苦言を呈し、修正を求めた。
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