【要約】かくして国連憲章は“海の藻屑”となった【門田隆将チャンネル#0079】

INDEX(目次)
- まだ目覚めませんか?明日から始まる中国「台湾包囲実弾演習」
- 『門田隆将チャンネル#0079』を要約
- 年末の挨拶と本日の主題(第79回)
- 中国の台湾包囲演習と実弾射撃(軍事威嚇のエスカレーション)
- 「なぜ脅すのか」—台湾問題の歴史整理(中華民国と中華人民共和国)
- 旅行・航空への直撃(NOTAMと“10万人規模”の混乱)
- 国連憲章2条4項を“破った”という論点(武力による威嚇の禁止)
- 日本・米国の対中政策の“言葉の差”(理解・尊重/知っている、しかし認めない)
- 習近平の「レジェンド」欲求と2027年リスク(党大会・節目の政治日程)
- 日本国内の認知戦と政治の弱点(“脅威は幻想”論への反発)
- 2030年代の軍事バランスと抑止の再設計(空母、核、原潜)
- 戦後秩序の崩壊と“6000万人の無念”(ロシア・中国の連鎖)
- 「百年国恥」理解が鍵(中国の行動原理の読み解き)
- 希望の余地(中国の民主化の可能性と指導部交代)
- 結論(日本の現実政治で抑止を固める)
まだ目覚めませんか?明日から始まる中国「台湾包囲実弾演習」
『門田隆将チャンネル#0079』を要約
年末の挨拶と本日の主題(第79回)
・門田氏は年末進行(各番組・連載の締め作業)で多忙であり、休みとは無縁だと近況を述べる
・令和7年(2025年)が「今日明日」で終わるタイミングとして、視聴者へ挨拶しつつ問題提起を行う
・本日のテーマは「国連憲章が踏みにじられ、国際秩序が形骸化している」という危機認識に置く
・その象徴として、台湾周辺での中国の実弾演習(ミサイル射撃を含む)を取り上げる
中国の台湾包囲演習と実弾射撃(軍事威嚇のエスカレーション)
・中国の人民解放軍が台湾を取り囲む形で演習を継続し、威嚇にとどまらず実弾射撃まで実施していると指摘
・台湾国防部の発表として、台湾北部方向への射撃があり、台湾側が設定する海域周辺への着弾があった旨を紹介
・「力による現状変更」を見せつけ、台湾と周辺国に心理的圧力を与える狙いだと論じる
・日本のすぐ隣で、21世紀にこの種の軍事的脅迫が起きていること自体が重大だと強調
「なぜ脅すのか」—台湾問題の歴史整理(中華民国と中華人民共和国)
・1912年に中華民国が成立し、1945年の戦勝国として国際社会の枠組みに位置づいたという史観を確認
・1949年に内戦を経て中華人民共和国が成立し、中華民国政府は台湾へ移ったという経緯を説明
・それにもかかわらず中国は「台湾は不可分の領土」と主張し、74年以上統治できていない現実を力で覆そうとしていると批判
・門田氏は、この構造が「両岸関係」「台湾問題」の根であり、軍事圧力が常態化してきた背景だと述べる
旅行・航空への直撃(NOTAMと“10万人規模”の混乱)
・演習直前に中国がNOTAM(危険空域の通告)を突然出し、接近回避を求めた点を問題視
・年末年始の移動期と重なり、台湾・日本・韓国など各方面の航空便が運航困難となったと説明
・報道ベースとして、影響を受けた人数が10万人超に及び得る規模だと紹介
・国際民間航空・民間人の移動を事実上人質に取るようなやり方であり、「普通は許されない」と非難する
国連憲章2条4項を“破った”という論点(武力による威嚇の禁止)
・門田氏は、中国の行為が国連憲章第2条4項(武力による威嚇・行使の禁止)の趣旨に反すると主張
・中国自身が国連安保理常任理事国でありながら、規範を軽視している点を強い矛盾として突く
・「世界の秩序・決まりが通用しない」状況が進むなら、国連中心の抑止・調停は空洞化すると警鐘
・これを「国連憲章が“反故”になりつつある象徴」と位置づける
日本・米国の対中政策の“言葉の差”(理解・尊重/知っている、しかし認めない)
・日本は「中国が台湾を自国領土と主張していることは理解し尊重するが、平和的解決を求める」という整理を提示
・米国は「中国の主張は**承知(知っている)**しているが、同様に平和的解決を求める」という立場だと説明
・つまり、主張自体を“追認”するのではなく、紛争回避の枠組みとして言葉を使い分けているという含意を強調
・その前提を崩して力で押し切ろうとする中国の行動が、地域の安定を根本から揺さぶると論じる
習近平の「レジェンド」欲求と2027年リスク(党大会・節目の政治日程)
・門田氏は、習近平が「歴史に残る成果(レジェンド)」として台湾を取り込む誘惑に駆られていると見る
・特に2027年(人民解放軍の節目、党大会サイクル)を念頭に、強硬姿勢が増す可能性を示唆
・その結果として、数百万規模の犠牲すら厭わない危険性があると強く批判
・「国内問題」と言いながら、実態は国際秩序への挑戦であり、周辺国を巻き込む戦争リスクを孕むと警告
日本国内の認知戦と政治の弱点(“脅威は幻想”論への反発)
・門田氏は、日本に「中国脅威は被害妄想」「幻想だ」とする言説があること自体が問題だと述べる
・背景に中国の認知戦や統一戦線工作があり、政界・世論が影響を受けているとの見立てを示す
・特定政党名を挙げつつ、対中宥和・軽視が広がる構図を批判し、危機認識の欠如を嘆く
・「なぜ分からない人が多いのか」という点を、日本の脆弱性(情報・教育・政治)として捉える
2030年代の軍事バランスと抑止の再設計(空母、核、原潜)
・米国防総省の対中軍事力報告に触れ、2030年代に中国が空母戦力を拡充し得るとし、圧力が増すと予測
・将来的に中国の作戦圏が拡大すれば、日本近海での威嚇が常態化し、抑止が間に合わなくなると懸念
・その上で、門田氏は日本の抑止力強化策として核シェアリング(独伊の例)に言及
・さらに原子力潜水艦の保有(レンタル・導入等も含む)を挙げ、対抗手段を現実的に検討すべきだと主張
戦後秩序の崩壊と“6000万人の無念”(ロシア・中国の連鎖)
・戦後秩序は、第二次大戦の犠牲(非戦闘員を含む約6000万人という認識)を背景に維持されてきたという見方を示す
・しかし2022年2月24日のロシアによる侵攻を転機に、力による現状変更が露骨化し、秩序が崩れたと整理
・次に秩序破壊を進めようとしているのが中国であり、台湾周辺の行動はその延長線上だと位置づける
・結果として、第3次世界大戦級の連鎖に繋がり得ると危機感を表明する
「百年国恥」理解が鍵(中国の行動原理の読み解き)
・中国が西洋列強との歴史を「百年国恥」として記憶し、1949年の建国で屈辱から脱したという物語を持つ点を説明
・その物語から「戦後秩序を押し付けられてきた」「今こそ取り返す」という対抗意識が生まれると論じる
・これは正当化できないが、相手の“頭の中”を理解しないと行動の危険性を見誤るという主張を展開
・トップの意志が国家方針を大きく左右する体制である以上、習近平の志向がリスクを増幅させると見る
希望の余地(中国の民主化の可能性と指導部交代)
・門田氏は、かつて中国人民に親日・友好的な空気があり、自身も長年訪中していた経験に触れる
・胡耀邦のように自由と民主を志向した指導者がいたこと、そしてその流れが天安門事件へ繋がった歴史を回想
・近年も改革志向の人材が再浮上し得る可能性に言及し、「永久に100%この路線が続く」とは限らないと述べる
・抑圧下にある人権派・民主派の存在を念頭に、最悪シナリオだけでなく、変化の芽も見据えるべきだと結ぶ
結論(日本の現実政治で抑止を固める)
・絶望だけでなく希望を持つとして、日本側は“祈る”のではなく抑止の具体策を積み上げる必要があると主張
・門田氏は、現実政治家としての高市早苗氏への期待と、対米連携(トランプ政権を念頭)で安全保障を強化すべきと訴える
・本件の結論として、再び核シェアリング導入を強く促し、翌日の年末総括動画へ繋げて締める
キーワード:国連憲章2条4項,武力による威嚇,台湾包囲演習,実弾射撃,NOTAM,人民解放軍,力による現状変更,安保理常任理事国,一つの中国,両岸関係,習近平,2027年,認知戦,統一戦線工作,抑止力,核シェアリング,原子力潜水艦,2030年代,戦後秩序,百年国恥,天安門事件,胡耀邦,高市早苗
