【要約】会期末“解散”すべきでも“消えてしまった”これだけの理由【門田隆将チャンネル#0062】

INDEX(目次)
- 会期末“解散”すべきでも“消えてしまった”これだけの理由
- 『門田隆将チャンネル#0062』を要約
- 映画『尖閣1945』クランクアップと作品の意義
- ここ最近の配信は「中国問題づくし」であったことの振り返り
- 7月の独軍機レーダー照射事件と中国外交の自己矛盾
- 12月6日の海自機へのレーダー照射と国際ルール違反
- 一連の挑発で米国を覚醒させた中国の「大失敗」
- 安倍晋三の提言と高市政権の役割
- 臨時国会の会期末と高一内閣の補正予算
- 新聞各紙の論調と自民・維新の駆け引き
- 議員定数削減をめぐる合意とほころび
- 維新の「献金規制ちらつかせ」戦術と政党支部献金をめぐる対立
- 自民党にとっての政党支部献金の重み
- 会期末解散が消えた理由と当初シナリオの崩壊
- 「内なる敵」=左翼・親中勢力が中国を助長する構図
- 来年4月以降に先送りされた大型政策パッケージ
- 来年の解散・総選挙時期の有力シナリオ
会期末“解散”すべきでも“消えてしまった”これだけの理由
『門田隆将チャンネル#0062』を要約
映画『尖閣1945』クランクアップと作品の意義
・八重山日報(12月11日付)一面に、映画『尖閣1945』のクランクアップ記事が掲載されたことを紹介
・作品は、昭和20年(1945年)7〜8月の「尖閣戦時遭難事件」を題材に、尖閣諸島・魚釣島が昔から日本の領土であること、そこで暮らし働いた日本人の悲劇と奮闘を描く内容
・映画の撮影は無事終了し、来年秋に全国上映予定、まず石垣で先行試写を行う計画であると報告
・これまでの制作過程で、視聴者を含む多くの人から心配や支援の声を受けてきたことに対し、あらためてお礼を述べる
ここ最近の配信は「中国問題づくし」であったことの振り返り
・ここ1カ月ほどの配信では、ほとんどが中国をテーマにした回で占められてきたと振り返り
・とくに11月7日の岡田質問以降、中国側の動きが激しくなり、チャンネルでも連日取り上げる状況になっていると説明
・今回も、その流れの延長として、中国の失敗続きの対外行動と、それが日米欧にどう跳ね返っているかを解説する回であると位置づけ
7月の独軍機レーダー照射事件と中国外交の自己矛盾
・今年7月、ドイツ軍の軍用機が、中国軍の艦船からレーダー照射(火器管制レーダー照射)を受け、独中間で外交問題になっていた事実を紹介
・その当事者である中国の王毅外相が、最近になってドイツ外相に向かい、「日本は戦後80年経っても侵略の歴史を十分反省していない」と訴える発言をしたことがニュースに
・しかし、当のドイツ側は、自国軍が中国からレーダー照射を受けたばかりであり、内心では「いい加減にしてほしい」という反応だっただろうと門田氏は指摘
・自分がレーダー照射を行った国に向かって、日本批判の“歴史カード”を切るという、中国の極めてちぐはぐな外交姿勢を痛烈に批判
12月6日の海自機へのレーダー照射と国際ルール違反
・中国は、11月7日の岡田質問以降、日本への圧力を強める「一人相撲」を続けてきたと解説
・その流れの中で、12月6日に中国軍が、日本の海上自衛隊の航空機に対し、火器管制レーダー照射(下位・火器管制レーダー照射)を2度行ったとされる
・この行為は、艦艇・軍用機の安全確保のための国際ルールであるCUES(洋上衝突回避規範)に違反する、極めて危険な挑発であり、武力行使の一歩手前とも受け取られかねない行動
・今年7月の独軍機へのレーダー照射に続き、今度は日本の自衛隊機にまで照射したことで、国際社会からの中国への不信と反発はさらに増大していると指摘
一連の挑発で米国を覚醒させた中国の「大失敗」
・こうしたレーダー照射を含む一連の挑発行為によって、アメリカの不満と怒りが徐々に蓄積
・その結果として、米国家安全保障戦略(NSS)の文書の中に、
— 台湾防衛への事実上の言及
— 一方的な台湾海峡の現状変更を許さないという明確なメッセージ
が盛り込まれるに至ったと解説
・これは、長年続いてきた「台湾防衛をあえて曖昧にする」戦略的曖昧性からの方向転換を示すものであり、中国の挑発が自らの安全保障環境を悪化させた典型例だと評価
安倍晋三の提言と高市政権の役割
・門田氏は、このアメリカ側の変化の背景に、安倍晋三元首相の提言があると強調
・安倍氏は2022年4月、国際専門サイトに論文を寄稿し、「台湾への戦略的曖昧性はやめるべきだ」と世界に向けて訴えた
・安倍氏の死から約3年が経過した今、米NSSがようやくその方向へ舵を切りつつあり、
— 台湾有事=日本有事という認識
— 台湾を守るための明確な抑止
が形になり始めていると解説
・さらに、その安倍路線を継ぐ**高市首相(高一政権)**が誕生したことで、日米が連携して台湾防衛に明確な意思を示す構図が強化されつつあると位置づけ
臨時国会の会期末と高一内閣の補正予算
・話題は国内政局へ移り、現在開かれている臨時国会は、来週水曜日が会期末であると説明
・毎日新聞は「補正予算成立へ」と見出しを打ち、高一内閣の大型補正予算案が成立する見通しであると報道
・国民民主党が補正に賛成の意向を示したことで、自民党・日本維新の会に加えて公明党も賛成に回る可能性が高く、補正予算の成立自体はほぼ確実と見られている
・しかし、補正が成立するからといって、すぐに解散総選挙に踏み切れるような状況ではなくなっていることを強調
新聞各紙の論調と自民・維新の駆け引き
・朝日新聞は、もともと高一政権に批判的な立場から、
— 維新との距離感
— 国民民主との関係の不安要素
などをクローズアップし、政権に対して冷ややかな論調を展開
・一方、産経新聞は、自民党と日本維新の会の関係に焦点を当て、「維新、自民に圧力 献金規制ちらつかせ時間切れ牽制」といった形で、定数削減と政治資金問題を軸とする駆け引きを詳しく報じていると紹介
・門田氏は、こうした報道を踏まえ、政局は中国問題だけでなく、国内の制度改革と政治資金の問題が複雑に絡み合っていると解説
議員定数削減をめぐる合意とほころび
・自民党と日本維新の会は、以前から**衆議院議員の定数削減(例:-45案)**で合意していたと説明
・門田氏は過去回で、自民党内の具体案(どの選挙区をどう削るか)を紹介しながら解説してきた経緯があると補足
・しかし現在、
— 一部野党が「どうせやるなら中選挙区制への回帰も含めて見直すべきだ」と主張
— 自民党内でも「今の緊迫した情勢で定数削減を進めると、解散・総選挙で与党が不利になる」との懸念が強まる
・その結果、定数削減そのものを先送りしたい空気が自民党内に広がり、維新との約束が守られない可能性が出てきていると指摘
維新の「献金規制ちらつかせ」戦術と政党支部献金をめぐる対立
・こうした自民党側の動きに、日本維新の会が反発
・維新は、「定数削減をやると言っておきながら先送りするなら、企業・団体献金の厳格規制に賛成してもいい」と示唆し、自民党に圧力をかけている
・具体的には、
— 現在、各議員が持つ政党支部に対して、企業・団体献金を行うことが可能
— 維新や他野党は、この仕組みを改め、企業・団体献金は党本部や都道府県連などに一括集約すべきだと主張
・これは、自分たちの主張する議員定数削減が実現しない場合の「報復カード」として機能しており、会期末ギリギリで自民党を揺さぶる材料になっていると解説
自民党にとっての政党支部献金の重み
・自民党の多くの議員は、自分の選挙区に自らの名前を冠した政党支部を設け、そこで
— 日頃の地域活動
— 支持者との集会・陳情窓口
— 選挙準備
などを行っている
・地元の企業・団体は、「特定の議員を育てたい・支えたい」という思いから、この個別の政党支部に献金を行い、草の根レベルの政治活動を支えている
・もし企業・団体献金が党本部・県連への一括集約になれば、
— 献金する側の「この議員を応援したい」という動機が弱まり、献金自体が減る
— 本部の配分権限が強まり、地域の議員の自立性が低下する
・そのため、自民党にとって政党支部献金の仕組みは「政治活動の生命線」とも言え、簡単に譲歩できないために、維新との対立が先鋭化していると分析
会期末解散が消えた理由と当初シナリオの崩壊
・門田氏はこれまで、「12月臨時国会の会期末解散 → 翌年2月1日投開票」というシナリオを繰り返し提言してきたと回想
・その間に、イタリアのメローニ首相を日本に招き、外国人政策に関する東京宣言を行って一気に勝負をかけるべきだと主張していた
・しかし現実には、
— 中国のレーダー照射問題など安全保障環境の悪化
— 議員定数削減・献金規制をめぐる自民・維新の綱引き
が重なり、政権側が安心して解散に踏み切れる状況ではなくなった
・結果として、会期末解散の可能性はほぼ消滅し、「まずは補正予算を確実に通すこと」が高一政権の優先課題になったと整理
「内なる敵」=左翼・親中勢力が中国を助長する構図
・門田氏は、以前から日本国内の左翼・親中勢力を「内なる敵」と呼び、強い危機感を示してきた
・今回も、
— テレビ朝日のコメンテーター(田中氏)が、露骨に中国側を擁護する発言を続ける
— 日本共産党などが、中国に有利な論理を展開し、政府批判を繰り返す
といった状況があり、これが習近平政権に「日本にはまだ付け込める余地がある」と誤解させていると指摘
・門田氏は、1996年の台湾初総統直接選挙の際、中国が台湾海峡にミサイルを撃ち込んだ前例を挙げ、
— 中国は、選挙前後の緊張を利用して軍事的圧力を高める常套手段を持っている
— そこに日本国内の親中勢力が加勢すると、政権への揺さぶりが一層強まる
と警鐘を鳴らす
・こうした要因もあり、政権側は「今このタイミングで解散総選挙を打つのは危険」と判断せざるを得ない状況になっていると分析
来年4月以降に先送りされた大型政策パッケージ
・会期末解散が消えたことにより、政局の主戦場は来年度予算成立後(4月以降)へと移行
・そこから先、次のような大型政策テーマが本格的な争点になると見通す:
— 議員定数削減と、それに伴う補助金・租税特別措置の見直し(片山氏がどこまで切り込むかが焦点)
— 外国人政策の抜本改革(小田氏が中心的役割を担う構想)
— 消費税の食料品ゼロ%(食料品の消費税0)という思い切った減税案
— 長年の懸案であるスパイ防止法の制定
・これらが一体となって、来年通常国会の「大争点パッケージ」として国民の前に提示され、その後の解散・総選挙の争点にもなっていくと展望
来年の解散・総選挙時期の有力シナリオ
・門田氏は、現時点で有力だと見ているシナリオとして、
— 来年の通常国会の会期中に解散
— とくに6月末の会期末解散 → 7月総選挙
といったパターンを挙げる
・4月以降に、
— 外国人政策
— 食料品の消費税0%
— スパイ防止法
— 定数削減・補助金見直し
などの論点を前面に掲げ、そのうえで国民の信を問う解散総選挙に踏み切る可能性が高いと見る
・最後に、「しばらく中国問題ばかり扱ってきたが、国内政局もこのように動いている」と整理し、今後も中国の動きと日本の政局を両にらみで追っていくと述べて締めくくった
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