【要約】外交専門家が語った「台湾侵攻後」の米軍と日本【門田隆将チャンネル#0039】

INDEX(目次)
外交専門家が語った「台湾侵攻後」の米軍と日本
『門田隆将チャンネル#0039』を要約
① 高市政権の最新世論調査と高支持率
・門田氏は多忙なスケジュールの合間を縫って収録しており、今回も急ぎつつ丁寧に話したいと前置きする
・11月15〜16日の週末に、朝日新聞・ANN(テレビ朝日)・共同通信の3社が内閣支持率調査を実施
・朝日新聞の高市内閣支持率は69%(前回比+1)、不支持17%(-2)
・ANNは支持67.5%(+8.8)、不支持15.4%(-6.4)と大幅な支持率上昇を報告
・共同通信は支持69.9%(+5.5)、不支持16.5%(-6.7)で、ここでも大きく支持が伸びている
・いずれのメディアも「反高市」と見なされているにもかかわらず、共通して支持率が上昇し不支持が減少している点が重要だと指摘
② 「存立危機事態」発言への左派・親中派の反発
・門田氏は、いまだに左派勢力が高市首相の「台湾有事は存立危機事態に当たり得る」との趣旨の発言を攻撃し続けていると説明
・国会近くの首相官邸前では「高市やめろ」などを掲げるデモ・集会が恒常的に行われている
・その様子が香港のフェニックステレビ(共産党系衛星チャンネル)で報じられ、日本人参加者のコメントが紹介された
・日本人男性参加者は「存立危機事態発言は撤回すべき」「中国とは良き隣人でありたいので、平和外交を」と主張
・同じ参加者は「中国が怒るのは当たり前」「日本を戦争ができる国に仕立てようとしている。何としても止めねばならない」と発言
・女性参加者は「日本人は『一つの中国』という認識。高市首相や議員にはやめてほしい」「中国を怒らせて本当に迷惑だ」と語った
・門田氏は、これらの発言から「中国様を怒らせてはいけない」という姿勢が露骨に表れていると批判
③ なぜ左派は独裁国家中国の味方をし、台湾を見捨てるのか
・門田氏は、視聴者と同様に「なぜ日本人が独裁国家・中国の側に立ち、台湾の人々を見捨てるのか」と強い疑問を呈する
・台湾海峡で戦端が開かれれば、長期の戦争状態となり、多くの台湾人が犠牲になり、日本も無関係ではいられないと指摘
・台湾は日本へのエネルギー・物資の生命線である台湾海峡・バシー海峡を抱え、日本のシーレーンに直結している
・それにもかかわらず、左派・親中派は台湾の人命よりも中国の顔色を優先しているように見えると批判
・門田氏は「一つの中国論」を盾に「台湾侵攻も中国の内政問題だ」とする左派の姿勢に激しい怒りを表明
④ 中華民国・台湾の歴史的正当性と「一つの中国」論の限界
・門田氏は、台湾の地位を歴史的経緯から整理し、「中国の内政」論を否定
・中華民国は第2次大戦後の1946〜1971年まで、国連安保理の常任理事国として拒否権を持つ5大国の一つだった
・カイロ宣言により、台湾は中華民国に返還された経緯があり、現在も「中華民国台湾」として存続していると説明
・一方、中華人民共和国は1949年10月1日に毛沢東が建国を宣言した、より新しい政権であり、台湾統治の実績は一度もない
・日本は「中国が台湾を自国領と主張していることを理解し、尊重する」に過ぎず、武力による統一を認めたことは一度もない
・「一つの中国」を理由に台湾侵攻を正当化するのは、中華人民共和国だけの理屈であり、世界は承認していないと強調
⑤ G7の結束と対中制裁シナリオ
・門田氏は、先日のカナダでのG7外相会合で台湾海峡の平和と安定が3項目にわたって声明に盛り込まれたと紹介
・自由主義陣営は、結束して台湾を守る意思を示しており、それにもかかわらず中国が侵攻すれば重大な制裁が科されると指摘
・とりわけ「ドル取引の停止」が行われれば、中国経済は致命的打撃を受け、最終的には経済破綻に至りかねないと分析
・こうしたリスクがあるため、中国も本格的な台湾侵略には踏み切れないはずだという見立てを前回動画で示していたと振り返る
・それでもなお、左派勢力が高市発言を「戦争を招く」と批判し続けている現状に、門田氏は驚きを示す
⑥ 台湾侵略が日本と在日米軍にもたらす危機(山上信吾氏の指摘)
・門田氏は、共著『媚中』で対談した山上信吾・元駐オーストラリア大使の見解を紹介しながら、台湾侵略後の日本の危機を説明
・左派勢力は「台湾有事は存立危機事態に当たらない」と日本の指導者に言わせようとしていると指摘
・もし日本政府がそう宣言すれば、日本は集団的自衛権に基づく対米支援(自衛隊派遣)ができず、中国の武力統一を許す結果になる
・山上氏は、中国が台湾を制圧すれば、東シナ海の支配が現実化し、空・海の制空権・制海権が中国側に傾くと警告
・尖閣諸島周辺だけでなく東シナ海全域が「真っ赤な中国の海」になり、日本の安全保障環境は一変すると説明
・その結果、沖縄の在日米軍基地は常時攻撃対象となり、米軍はグアム、ホノルル、米本土カリフォルニア、さらには豪州ダーウィンへと撤退する再編が起こり得る
・在日米軍縮小・撤退は、日本の安全保障にとって「存立危機」そのものであり、台湾有事が存立危機事態でないという論は成り立たないと結論づける
⑦ 台湾有事は第三次世界大戦の引き金になり得る
・門田氏は、台湾侵略は単なる地域紛争ではなく、共産圏が自由主義陣営に攻め込む重大事であり、第3次世界大戦の勃発に等しいと指摘
・台湾側も「死に物狂いで」巡航ミサイル(射程600km・1200km級)を発射し、上海や世界最大級の三峡ダムを攻撃する可能性があると述べる
・三峡ダム破壊は、中国国内に未曾有の大惨事をもたらし、核戦争含みの最悪シナリオすら想定されると警鐘
・日本も地理的・政治的に深く巻き込まれ、決して「無傷では済まない」と繰り返し強調
・だからこそ高市首相は「密接な関係にある第三国=アメリカが台湾周辺で武力攻撃を受けた場合、それは日本の存立危機事態になり得る」と述べたのであり、むしろ戦争抑止のための発言だと説明
⑧ 中国の「冒険主義」と安倍政権の対中戦略
・門田氏は「中国の冒険主義」というキーワードを提示し、その意味を解説
・中国は長らく「衣の下の鎧」を見せない慎重な外交をしてきたが、1990年代〜2000年代以降、急速に強硬姿勢を強めたと分析
・習近平氏は2012年に総書記、翌年に国家主席となり、「100年の屈辱を忘れず、中華民族の偉大な復興を果たす」と掲げた
・その裏には、2049年(建国100年)までに日本を“無力化”し、米国を凌駕して世界覇権を握るという国家目標があると指摘
・「冒険主義」とは、十分な準備やリスク評価をしないまま、無理な対外行動をとる危険な姿勢であり、現在の中国外交そのものだと位置づける
・こうした中国の膨張に対抗するため、安倍晋三元首相が打ち出したのが「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」戦略だと解説
・FOIPは、中国の「一帯一路」的な覇権戦略に対抗する世界戦略であり、今も自由主義陣営はこの枠組みに沿って動いていると述べる
⑨ 外務省局長の訪中と「時期尚早」論
・門田氏は、17日に外務省アジア大洋州局長が中国に赴き、中国外交部アジア局長との協議を予定している点に言及
・しかし現状では、中国の冒険主義を抑え込むべき局面であり、日本側から出向くのは「時期尚早」だと批判
・中国は、日本側からの訪中をもって「日本が頭を下げてきた」と国内外に宣伝する恐れがあると懸念を表明
・中国が自ら一人相撲で緊張を高めている状態なのだから、しばらく放置しておくべきだというのが門田氏の持論
・高市首相には、こうした点を踏まえた慎重な対中外交を求めたいと述べる
⑩ まとめ――台湾を守ることは日本の存立を守ること
・門田氏は、ここ1週間以上にわたり「存立危機事態」発言を巡る議論を続けてきたと振り返る
・核心は「なぜ日本の左派は独裁国家・中国の味方をし、台湾の人々の命を平気で切り捨てるのか」という問いにあるとあらためて強調
・台湾侵略が現実化すれば、東シナ海支配、在日米軍再編、日本の安全保障悪化など、日本自身の存立危機に直結する
・それにもかかわらず、左派は「一つの中国」「内政問題」といった言葉で台湾侵攻を事実上黙認していると批判
・門田氏は、共著『媚中』で示された山上信吾氏の「米軍再編・縮小こそ日本の存立危機」という指摘を紹介しつつ、より多くの政治家・評論家・ジャーナリストがこの問題を真正面から論じるべきだと訴える
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