【要約】石破辞任で景況感は改善するもこの先、小泉か高市で全然変わる【髙橋洋一チャンネル#1366】

『髙橋洋一チャンネル」は、数量政策学者で嘉悦大学教授の髙橋洋一さんが視聴者の質問に答える形で、政治経済や世界情勢など現在進行中の問題について理路整然と解説してくれるYouTubeチャンネルです。
日銀短観 大企業の景況感改善
『高橋洋一チャンネル』の内容を要約
日銀短観の概要と改善要因
・10月1日に発表された日銀短観では、大企業製造業の業況判断DIが2期連続で改善と報じられた
・一見「景気が良くなった」と見えるが、売上や利益は下方修正されており、実際の業績は伸び悩んでいる
・改善の理由は、日米関税交渉の決着による「不透明感の解消」が大きいとみられる
・企業は「結果がどうであれ先が見えた」ことで心理的に安心し、回答に前向きな姿勢が表れた
・特に輸出依存度の高い大企業では、この安心感が数字に強く反映された
調査の性質と限界
・短観はアンケート形式で経営者の「感覚」に基づくものであり、実際の数値を直接示すものではない
・「良くなるか、悪くなるか」を経営者に聞き、その比率で指数化する仕組みのため、心理的要素が大きい
・調査期間は8月27日〜9月30日で、この間に石破首相の辞任があり、「政権交代で良くなるかも」という期待も影響した可能性がある
・回答者の中には「石破氏でなくなったから安心」という心理から、景況感を上向きに回答した人もいたと考えられる
実態経済との乖離
・実際には売上・利益の見通しは下方修正されており、経済実態の改善は乏しい
・景気を本格的に押し上げる政策は打たれておらず、他の経済データを見るとむしろ悪化傾向が目立つ
・したがって、今回の改善は「感覚的な一時的な上振れ」に過ぎず、過度に楽観視すべきではない
政策・政権交代による見通し
・次期政権の経済政策が景気に大きく影響する局面にある
・高市氏は「純債務対GDP比」を重視する立場で、資産形成につながるインフラ投資・新技術投資を積極的に進められる可能性が高い
・小泉氏は「債務残高対GDP比」を重視するため、借金を伴う成長投資に慎重で、結果的に重要な投資を見送る恐れがある
・エネルギー政策でも、高市氏は原発推進、小泉氏は再生可能エネルギー推進と立場が分かれ、産業構造への影響は大きい
・外国人政策でも、高市氏は受け入れ制限、小泉氏は積極的受け入れを主張しており、観光・労働市場に与える効果も異なる
金利・市場の動向
・日銀内では利上げの声が強まり、一部の政策委員も利上げに前向きな姿勢を示している
・ただし、高市氏が政権を担えば「財政投資を重視しつつ利上げは急がない」という方向性になり、株式市場では投資関連株が上がる可能性がある
・小泉氏が政権を取る場合、再エネや観光関連株に資金が集まるが、財政の制約から全体の投資拡大は期待しにくい
・利上げは銀行株を押し上げる一方、不動産株を下げる要因になるため、どの政権が誕生するかで市場の反応が大きく分かれる
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