ようやく米の増産へ方針転換もまだ足りない【髙橋洋一チャンネル#1327】

『髙橋洋一チャンネル」は、数量政策学者で嘉悦大学教授の髙橋洋一さんが視聴者の質問に答える形で、政治経済や世界情勢など現在進行中の問題について理路整然と解説してくれるYouTubeチャンネルです。
INDEX(目次)
米増産へ政策転換
『高橋洋一チャンネル』の内容を要約
米価格上昇の原因は農水省の需要見通しミス
・米価高騰の主因は農水省が需要予測を誤ったことで、供給を毎年約10万トンずつ減らす中、需要は急増していた
・農水省は長らく「流通の目詰まり」など曖昧な説明をしていたが、今回ようやく自らの予測ミスを認めた
・農水省の公開データからも明らかで、供給と需要のズレによる価格変動は初歩的な経済分析で説明可能
・中央と地方の需給バランスのズレが放置されていたことが問題
・生産調整をやめるという小泉進次郎農相の発言は、農政改革の一歩と評価できる
キーワード:米価格、農水省、需要見通し、生産調整、供給削減
政府の需給予測の限界と民間への期待
・政府の需要予測は過去にも的中率が極めて低く、1980~90年代の経験からも「当たらない」と結論が出ている
・民間予測も当たるとは限らないが、幅広く予測されるため、政府の一本予測より信頼性がある
・民間に任せ、政府は予測を出さない方が市場にとって健全との見解
キーワード:需給予測、民間任せ、予測精度、政府の役割、需給分析
転作補助金廃止と財務省の思惑
・農水相は生産調整をやめると表明し、約4000〜5000億円の転作補助金の削減が見込まれる
・補助金廃止は財務省にとって歓迎材料だが、後続の農政ビジョンは未整備のまま
・補助金を廃止しても、大規模化などの農地再編策が伴わなければ、耕作放棄地が増える恐れあり
キーワード:転作補助金、財務省、農業予算、農地再編、耕作放棄地
個別農家への支援と大規模化促進
・今後は田んぼの面積に応じた個別農家補助の導入が必要とされるが、対象が広がるため財源が足りない
・農地を貸す仕組みを整えれば、やる気のある農家による大規模化が進みやすくなる
・欧米では主流の政策だが、日本ではまだ実現されていない
キーワード:個別補助、農地貸借、大規模農業、農政改革、欧米農政
今後の米政策に必要な議論と改革方向
・米価は需給で決まるものであり、政府が「価格はこうあるべき」などと議論するのはナンセンス
・小泉農相の改革は農水省の従来説明より前進だが、政策の出口戦略が曖昧なまま
・農政改革が不十分なままでは、小泉氏の総理就任への道も遠い
キーワード:米政策、価格形成、農政改革、小泉進次郎、出口戦略