【要約】お花畑で「命」が繋がる時代は過ぎた。なぜ今“核シェアリング”なのか【門田隆将チャンネル#0075】

INDEX(目次)
お花畑で「命」が繋がる時代は過ぎた。なぜ今“核シェアリング”なのか
『門田隆将チャンネル#0075』を要約
冒頭:12月25日の報道を受けた問題提起(12/26収録)
・門田氏は「12月26日(金)16:30頃に収録」と前置きし、年末でも政治が動いているとして“歴史の分岐点”との認識を示した
・前日(2025年12月25日)夕方、共同通信が「日本維新の会の藤田文武共同代表が、官邸筋の核保有発言を巡り『核の議論を封殺すべきでない』と述べた」と報じた点を取り上げた
・この報道を起点に、核議論そのものをタブー視する風潮や、反応が特定方向に偏っていないか(誰が何を批判しているか)を検証すべきだ、という問題意識を提示した
・あわせて、国内の一部で起きている「核議論は不適切」とする反射的な空気が、現実の安全保障環境と噛み合っているのかを問い直す構成にした
キーワード:共同通信,日本維新の会,藤田文武,核保有,議論封殺
非核三原則の実態:ラロック証言とライシャワー証言
・門田氏は、いわゆる非核三原則(「持たず、作らず、持ち込ませず」)のうち、特に「持ち込ませず」が現実には成立していなかった可能性を示す根拠として、米側の議会証言を挙げた
・ラロック証言(1974年9月10日):核搭載能力を持つ艦船は核兵器を搭載しており、日本などの港に入港する際も核を下ろさない趣旨の証言があった、と説明
・要するに「日本寄港の直前に核を外す運用はしない」という理解であり、「持ち込ませず」は事実と整合しない、という論点を提示した
・ライシャワー証言(1981年5月17日):核兵器を搭載した米艦の日本寄港は日米の合意のもとで長年容認されていた、という趣旨の発言があったと紹介
・当時の報道・取材の文脈として、ジャーナリストの小森義久氏の指摘にも触れ、両証言を「非核三原則の“建前”と“運用”の乖離」を示す材料として位置づけた
・門田氏は、この点を踏まえ「非核三原則を“絶対視”して議論停止するのは現実逃避になりうる」と主張した
キーワード:非核三原則,持ち込ませず,ラロック証言,ライシャワー証言,小森義久
脅威認識:中国の核戦力増強と“日本が標的”という前提
・門田氏は「50年前と現在では環境が全く違う」として、周辺国の核戦力増強を前提に議論すべきだと強調した
・特に中国が新たに核戦力(核弾頭や核ミサイル戦力)を増強しているという報道を引き合いに、「どこを狙っているのか。日本だ」という認識を示した
・さらに、中国側SNS等で「日本に核を撃ち込め」といった過激な言説が拡散しているとして、世論環境そのものが危険化しているという見立てを述べた
・例として、**DF-41(東風41)**に言及する動画・投稿などを引き合いに、「核は“撃つため”ではなく“撃たせないため(抑止)”」という軍事常識を確認した
・この文脈で、国内で核議論をタブー化する態度は、脅威の現実を無視し「国民の命を守る責任」から目を逸らすものだ、という批判につなげた
キーワード:中国,核戦力増強,抑止,DF-41,東風41
被団協への批判と浜田聡氏の声明:対外発信の「公平性」「一貫性」「透明性」
・門田氏は、日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が国内の核関連発言には強い言葉で反応する一方、対外的な対象国の選び方が偏っているのではないか、という疑念が生じている点を取り上げた
・その根拠として、浜田聡氏(参議院議員)が12月25日に発表した声明を紹介し、「国内の安全保障議論そのものを強い言葉で断じることが、結果として国民的議論を萎縮させかねない」という問題提起を要約した
・声明の主旨として、中国(核戦力増強)、ロシア(核威嚇)、北朝鮮(核・ミサイル能力高度化)といった現実の脅威がある中で、抑止や防衛の議論を封じることは国民の安全を損ねうる、という点を整理した
・また、被団協の抗議・声明の対象選定について「どの国のどの行為を、どの基準で抗議対象にするのか」を明確化し、判断要素・手続・決定体制の説明(透明性)を求める趣旨がある、と述べた
・門田氏はこれを「中国に対して十分な同等熱量の発信が見えないことが、公平性・一貫性への疑念につながっている」と受け止め、問題提起に同意した
キーワード:日本被団協,浜田聡,声明,公平性,一貫性,透明性
現実解としての核シェアリング:NPT制約下での選択肢
・門田氏は「日本が独自核武装を一足飛びに行うのは現実的に難しい」とし、その理由としてNPT(核拡散防止条約)の枠組みを挙げた
・一方で、既に「持ち込ませず」が運用上は形骸化していた(とされる)以上、政治的に議論を封じるのではなく、同盟国との枠組みとしての核シェアリングを検討する余地がある、と論を進めた
・比較対象として、同じ敗戦国であるドイツ・イタリアが、米国の核を共有する枠組みで抑止を補強してきた事例を挙げ、「日本にも“壁はない”」という方向性を示した
・加えて、米国からの原子力潜水艦の導入・売却といった構想に触れつつ、「抑止の意思を示す」ことが核攻撃の抑止につながるという主張を展開した
・最終的には、理念・建前で議論停止するのではなく、「国民の命を守る責任」を軸に、現実的な選択肢の比較検討を行うべきだ、と結論づけた
キーワード:核シェアリング,NPT,ドイツ,イタリア,同盟抑止,原子力潜水艦
国内政治・言論への批判:平和ボケと「建前偽善社会」からの脱却
・門田氏は、核議論を一律に否定する姿勢について、自治体首長等の発言を例に「無知による平和ボケなのか、無責任による平和ボケなのか」と問いを立てた
・そのうえで、現実の脅威を直視せず「命の議論」を避ける風潮を、国民の命を放置する「建前の偽善社会」と表現し、そこから脱却できるかが分岐点だと主張した
・また、危険な対日言説が海外で増幅される中、国内のマスコミも含めて現実と向き合わなければ、将来世代の安全を損なうという警告を述べた
・結語として「議論の時間は限られている」とし、家族の命を守る観点から、抑止・防衛の議論を活性化させる必要があるとして締めくくった
キーワード:平和ボケ,偽善社会,安全保障議論,抑止,マスコミ批判
